東京変貌/「東京変貌」プロジェクトチーム

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4344995937 東京変貌―航空写真に見るこの50年の東京 1958 2006
「東京変貌」プロジェクトチーム

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見開き2ページに、1958年と2006年に撮影した航空写真をひたすら並べて、その違いを楽しむ写真集。約40あまりの街の50年前と今との変化を見ることができる。

汐留、品川、六本木、恵比寿といった大規模開発が行われた地域は、当然大きく変わっている一方で、巣鴨や日暮里、下北沢、田園調布といった昔からの住宅地は、ほとんど変わってないように見える。また、多くの道路は、その規模や太さにかかわらず、ほとんど変わっていないのに、すっかり埋め立てられた川や運河が印象的。歴史に“たられば”は無意味だが、もし川や運河がそのまま残されていたら、今の東京はもっと過ごしやすい街になっていたかもしれないと思うと、ちょっと残念。

西新宿の超高層ビル街ができる前は、淀橋浄水場であったし、光が丘の大規模な団地ができる前は、米軍の宿舎であるグランドハイツなどがあった。当然今とはまったく違うのだけど、当時これらの場所に何があったかを知らない人にとっては、その変化に相当驚くことだろう。また台場や東雲付近なでは、そもそも陸地ではなく、航空写真ではただの海しか写っていないのも興味深い。

通り名や駅名といった目印の記載はあるが、もし可能であるならば詳細な地図も欲しかった。たとえば薄く半透明の紙に地図を載せて、航空写真を透かしてみられれば、もっと楽しめるような気がした。