旅するデザイン／水戸岡 鋭治
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旅するデザイン 鉄道でめぐる九州 水戸岡鋭治のデザイン画集 水戸岡 鋭治 小学館 2007-06-06 |
九州で初めて電車で移動する人にとっては、ＪＲ九州の車両はとても新鮮に映るだろう。あきらかに他の都市とは電車のデザインが違うからだ。ＪＲ九州のデザイン顧問に就任している水戸岡鋭治氏は、九州を走るさまざまな電車やディーゼルカー、駅や広告などのデザインを多く手掛け、鉄道のイメージを大きく変えた立役者のひとりであり、鉄道デザインの第一人者と言えよう。比較的最近では2004年に開業した九州新幹線つばめ（800系）などを手掛けている。
本書は、そんな彼が手かげてきた作品を鮮やかなイラストでひとつひとつ丁寧に紹介。鉄道好きばかりでなく、本書のタイトル通り、旅やデザインに興味がある人も十分楽しめる内容だと思う。車両内部の構造や配置はもちろん、そこを走る沿線の観光案内など内容は盛りだくさんだ。
全てのページにわたって鮮やかな色づかいが旅の気分を盛り上げてくれる。イラストだけでもこんな気分になれるのだから、実物と対面したら、相当なインパクトがあるだろう。動物や昆虫、魚などのイラストもページを割いて描かれているせいか、まるで鉄道車両が生きているような気がする。車両図鑑ではなく、動物図鑑に近い感じ？
巻末には水戸岡鋭治氏が九州で手掛けてきた以外の仕事が紹介されている。デザインの力（パワー）を存分に感じることができる。読むとか見るというより味わう感じのする本だった。