2362 北欧モダン デザイン&クラフト

芸術・デザイン

実は、もともと僕自身は、これといって関心もなかった「北欧」が、ある展覧会をきっかけに“北欧”という存在を意識し、その後、実際にフィンランド、ノルウェー、デンマークを旅してからは、俄然注目するようになった。

今回、東京オペラシティで開催していた「北欧モダン デザイン&クラフト」展は、そんな北欧デザインの魅力とルーツを紹介する展覧会。「伝統」「機能」「表現」という3つの視点から、北欧モダンのこれまでを振り返る。

椅子、ガラス製品、照明器具、おもちゃといった、さまざまな製品が紹介されていた。椅子は、いくつかが実際に座って、座り心地を試すことができるようになっていた。あたりまえだけれど、展示の写真が撮れないのは、残念。

会場で紹介されていた解説によれば、北欧の製品は、伝統的に少ない素材を最大限に生かす合理性と簡素さを持ち合わせていて、もともと、機能主義モダニズムを受け入れやすい環境にあったという。その結果、民族文化の伝統と近代合理主義が融合したとのこと。この話を読んでいるうちに、これって日本でも同じようなことが言えないか?とも思った。

また、こんな解説も気になった。北欧モダンは年代によって以下のように括れるという。

1940年代 伝統を脱却する時代
1950年代 無垢な創造性が素のまま表現された時代
1960年代以降 個性が強調されていく時代

このうち、1950年代が“幸福な時期”であったと指摘していた。1950年代・・・日本では、昭和25年から35年にかけての高度経済成長直前の時期にあたる。まさに日本が大きく変わろうとする直前は、日本でも同様の時代だったのではないかと思えてならない。ここにも不思議と日本との共通項が見られたような気がする。

会場を訪れるお客さんの数も多く、北欧デザインの関心の高さを窺わせた。

以下の写真は、本文とはあまり関係ないけど・・・


巨大なオブジェ

新宿-初台間は京王新線で。

Posted by ろん