なぜ騙されるのか?/村 千鶴子

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4406050752 なぜ騙されるのか?―悪質商法の見分け方と撃退法
村 千鶴子

新日本出版社 2007-11
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悪質商法の被害を伝えるニュースを何度となく見聞きする。いつまでたってもなくなることはない。本書はタイトル通り、人びとは、なぜ騙されるのか?その現状と背景を探っていく。

そもそも、契約というものは、契約をするもの同士が、対等の立場で行われるいう法律の前提があるということを説く。つまり、契約は「する」ものであって「させられる」ものではなく、契約は「経済的利害をわきまえて行動する」経済的合理性に基づくということなっている。

が、しかし、後を絶たない悪徳商法を見るにつけ、法律が追いついていない状況がわかる。

本書の中で、「はっきり意見を述べる人の方が危ない」という事実にはびっくりした。
つまり、悪質商法は相手の弱みにつけ込むことで成立することが少なくないが、はっきり意見を述べる人は、どんどん質問して、突っ込んでくる。こういった態度は、悪質業者にとって、顧客にしようとしているターゲットがどんな知識があり、何に警戒し、どういう疑問を持っているのかが、ガラス張りのようにわかるのだという。業者は百戦錬磨のプロだということを忘れてはいけないということだ。

アンケートのようなものを回答するということは、悪徳業者にとって相手の興味や不安に感じていることを聞き出すことさえできるわけで、もう悪徳業者の術中にはまったも同然といえる。

僕もちょっと気をつけることにしよう。