2332 携帯電話を電車内で使ってはいけない理由
先日「車内携帯電話ストップ策、鉄道各社取り組みさまざま」(記事のキャッシュ)という記事を見つけた。
記事には、鉄道各社(と言っても2社局だけだけど)が、携帯電話の電源を切らそうする取り組みについて書かれている。
そもそも、電車内で携帯電話を使ってはいけない理由は何だろうか?
まずは、マナーという問題だ。
以前も取り上げたことがあるが、なぜマナー違反なのだろうか? 会話がうるさいということであれば、電車内で会話すること自体がマナー違反とも言えよう。もちろん、実際はそんなことはなくて、携帯電話を使った会話はマナー違反とされている。マナーというのは多数決の論理で決まるものだから、一般的にマナーとされるのであれば、それに従うまでのことだ。もっとも、僕はそうした世間の常識に対して異議を申し立てるつもりはない。ただこれが、いつの間にやらマナーとして定着したのは、ちょっと不思議だとは思うけれど。
次に挙げられる使ってはいけないとされる理由として、ペースメーカーで誤作動が起きる可能性があるという問題がある。特に最近ではこちらに重点が置かれ始めている。優先席付近での携帯電話の使用に制限が掛けられていることからもそれが伺える。こちらについて、深く考えてみたい。
しかし、これも本当のところはどうなのだろうか? 先述の記事にはこんなことが書かれている。
心臓病の専門医らでつくる日本不整脈学会によると、携帯電話が原因でペースメーカーが誤作動したという報告例はないが、「日本心臓ペースメーカー友の会」(本部・東京)の日高進副会長(77)は「患者の中には携帯電話を見ただけで具合が悪くなる人もいる。せめて優先席など指定された場所では、電源を切る配慮が、健常者の間で浸透してほしい」と訴えている。
この話の展開に軽い疑問を感じてしまった。
もちろんここで言っていることは一理はあると思う。けれど、携帯電話が原因で誤作動したという報告例がないのに、不安だけで具合を悪くしている人がいるという事実に「あれ?」と思った。具合が悪くなる人は携帯電話の電波で具合を悪くしたのではなく、影響があるかどうかわからない“不安”を煽られた結果、具合を悪くしてしまったのだ。「携帯電話を見たら気分が悪くなる人がいるから電源を切りましょう」という論理には飛躍がある。
まだ誤作動の報告がないというのは厳然たる事実だ。この事例は、正しい知識がないために不必要に具合を悪くしてしまったとは言えないか?
ここであらためて考えてみる。携帯電話は、本当にペースメーカーに誤作動を引き起こすのだろうか?
インターネットで調べてみると、わかりやすく解説してくれているサイト(東京都福祉保険局)を見つけた。ここでは、一般の携帯電話は、ペースメーカーより22cm以上離せば問題ないされている。他のサイト等での実験でも、極端に近づけるとやはり誤作動は起きるようだが、一定の距離を離せば問題ないとされている。
混雑した電車内では身動きが取れない以上、特に優先席付近のような所定の区域では、きちんと電源を切る必要があると思う。しかし、混雑していない場合では、不必要に心配することはないのだ。この「22cm」という距離は相当な至近距離だ。他人同士がこれほどの距離に近づくということはまず考えられないのだから、一般的にはまったく気にする必要はないということになる。
電源を切らすことよりも、きちんとした知識を広めることの方が大事だと思うのだけど、どうだろうか?