2306 地下鉄の車内で
先週、朝の混雑した地下鉄の車内でのできごと。
乗客同士が言い合いをしていた。ちょっと日本語が片言の外国人vs神経質そうな女性。どうやら男性が持つ本が女性に当たったことでもめているらしい。
男「混んでるんだから、ショウガナイジャナイデスカ!」
女「じゃあ、本なんて読むのはやめてくれないっ?」
客観的に見た感じでは、そんなにひどいことをしているとは思えず、女性の思い過ごしに近い、むしろ言いがかりにも近い感じもしたが、男性が次の駅で降りてしまったので、これ以上大きな問題には発展しなかった。
そして今日。混雑した地下鉄の車内のこと。
ふと気付いたら、なんとその女性が、僕の真横に立っていた。
そして、僕の手はしっかりと本を持っていた。
あ…
先週と全く同じ状況に、一瞬背筋に冷たいものが走るのを感じた。
しかし地下鉄の混雑は容赦なく、多少の力では、この女性に触れないでいることは難しかった。
そして次の瞬間…
!
本当に気付くか気付かない程度に手首あたりに触れた僕の手を、女性の左手首で大きく払いよけたのだ。
これには参った。とにかくここは穏便に済ませた方が良さそうだとは思ったが、あまりの態度に、つい
「ど・う・も・す・み・ま・せ・ん・ねー」(棒読み)
と、皮肉っぽく言うのが精一杯だった。
ただ下手に相手を怒らせると、どんな言いがかりを付けられるか知れないので、多少車内が空いたところを見計らって、急いで数メートル離れたところまで避難した。
こういう人には、何を言っても無駄だし、相手をするだけ無駄だってことはよくわかる。その一方で、なんとかぎゃふんと言わせてしまいたくなる自分もいる。なんだかこういうことに腹を立ててしまう自分自身が醜く感じてしまって、朝からイヤな思いをしてしまった。