あったかもしれない日本/橋爪 紳也

■建築・都市, 龍的図書館

4314009985 あったかもしれない日本―幻の都市建築史
橋爪 紳也

紀伊國屋書店 2005-11
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実現はしなかったものの、かつてこんな建物が建てられる計画があったとか、イベントが開かれる計画があったみたいな話は、枚挙にいとまがない。

そんな、実現しなかったさまざまなプロジェクトを数多く紹介している。サブタイトルが「幻の建築史」となっているが、当時の時代背景や世相などにも焦点を当てていて、ちょっとした“裏近代史”みたいな感じ。

実現していたらどういうことになっただろうと、空想してみるのは楽しい。東京でいえば、1935年(昭和10年)に計画されていた「日本万国博覧会」や、1940年(昭和15年)の「東京オリンピック」など、実際に開催されていたら、今の東京にも大きく影響していたことだろう。

もちろん、幻の計画は、全部が全部楽しいものばかりではない。尾瀬一帯のダム化計画や、本書で紹介されているような琵琶湖大運河計画など実現しなくてよかったものもある。水位を下げるために琵琶湖の水を一定量抜いて湖の大きさを半分程度にした上で、太平洋と日本海を結ぶ運河を造ってしまおうという計画が、もし現実になっていたら、きっと日本人の誰もが後悔したであろう。

実は僕らが知らないだけで、似たようなことが日本のどこかで起きているのかもしれない。完成した姿だけをせ知るわけだから、あり得ない話ではないのだ。そう思うと、ちょっと怖くなった。

例によって、図書館で借りた本。返却期限を過ぎてしまい、とても知的好奇心をかき立てられたものの、最後はとばし読みしてしまった。