2266 エレベータという密室で…

物思いに耽る(雑感)

何人もの人たちが狭い空間でじっと息を潜めている。
だから、ほんのわずかな音でも、よく響いてしまう。電車の中だったらきっと聞こえないような、ヘッドホンから漏れる音楽なども耳に入ってくる。

それぞれ皆、自分の目的の階に着くまでおとなしくしている。

プー

えっ?
密室の中に見えない緊張が走る。
これは違う、違うんだ、これはお腹の音だ!…そう断言できるのは、発生源は自分だったからだ。
しかしそれを弁明する余地は与えられていない。

「違います、これはお腹の音です」

心の中で、何度となく周囲に訴える。いや、待てよ、あくまで自分ではないとシラを切る方が得策か?
扉の開くまでの時間の長いこと長いこと…

…と、もうずいぶん前の話だが、そんなことがあって以来、不意な音には気をつけるようにしている。

こんなことを思い出したのは、実は、昨日も似たような問題が発生するところだったからだ。
今回はタイミング良く咳払いすることで、未然に事故を防ぐことができたのだった。

Posted by ろん