2225 エネルギー保存の法則と感情
坂道を自転車で上る。ちょっと大変だけど、帰るときは下りだから、そのときのための“貯金”と思えば、頑張ろうっていう気にもなる。
実際、物理学的に見ても、あながち間違いというわけではなく、運動エネルギーを使って位置エネルギーに変えたものと言える。まさに「エネルギー保存の法則」だ。
人間の感情というものも、エネルギーに似ている気がする。
たとえば、イライラした時、何かに八つ当たりする…なんてのも、イライラというエネルギーを何かに変換しようとする表れだろうし、悲しい時、思いっきり泣くというのも、感情の変換と言えるような気がする。
ただ感情は物理学的なエネルギーと決定的に違うことがある。
感情の場合、人に伝わった瞬間、相手の中で勝手に増幅したり、逆に消えてなくなったり完全に変化して、必ずしも保存されないということだ。 しかも、場合によっては、突然爆発することもある。怪我することすらある。
取り扱いには十分気をつける必要があるが、こればかりはなかなか扱いにくい。しかも、やっかいなことに、いつまで経っても慣れることはない。