2219 欲しい情報って…

物思いに耽る(雑感)

とかく物事の情報は、自分の都合のよいものだけを受け入れがち。自分の意見と異なったり対立したりする情報は、知らず知らずのうちに排除することも少なくない。
冷静に物事を判断するためには、あえて反対意見や中立的な意見にも耳を傾けることが必要…ということについは、異論はないと思う。
それがことに大きな買い物であったり、人生において大きな決断を迫られるようなことであれば、なおさらだろう。

ふと駅で見かけた何気ない光景。無料で配られているマンション情報誌。タイトルを見て、ちょっと考えてしまった。

「あなたはどっち? マンションか、一戸建てか?」

このタイトルを見るたび、同じような思いに駆られる。何年か前にも同じようなことを定点観察のコーナーで書いたことがあったと思う。
マンション情報誌でこの記事を読む時には、“偏った意見”が書かれているかもしれないということを覚悟するべきだということだ。
マンション情報誌なのだから、この存在意義は、マンションに関心を持ってもらうことにある。つまり「一戸建てを買いましょう」という結論には至らない。

もっとも、マンション情報誌を手にする人は、もともとマンションに興味のある人ばかりだろうから、妙な心配はいらないのかもしれない。
けれど、ここに書かれている情報は、中立的な立場で書かれているとは言い難い。公平で中立的な情報を得ようとするとき、知らず知らずのうちに、自分の意見に近い情報ばかり得てしまうことって、マンションばかりでなく、実はとても多いのではないかと思う。

まるで自分の欲しい情報であるかのように装って近づいてくる情報は、いくらでもあるような気がする。本当に大事な情報を得るための道のりは平坦ではない。

Posted by ろん