2207 ターニングポイント

物思いに耽る(雑感)

昨日の移動中、遠くに六本木ヒルズを見たとき、ふとある男のことを思い出した。ここの住宅棟には、数年前に会社を辞めた同期が住んでいる。いわゆる“ヒルズ族”だ。

久しぶりに彼の名前をYahoo!で検索したら何百件も出てきた。彼が起業した会社もずいぶんと大きくなっている。

彼のインタビュー記事を見つけた。彼が起業して現在にいたるまでの過程のことが載っている。数年間は同僚だったから、会社での話題の部分では、「そんなこともあったなぁ…」と懐かしく読んでいたが、ある話が目にとまった。

僕のことが書かれていた。

実は当時、彼と一緒に起業しようと、いろいろなビジネスモデルを研究していたのだ。つまり会社を辞めて新しい事業を起こそうと模索していた。しかし、いろいろな事情からそのまま会社に留まることにしたため、辞めたのは、結局彼一人になってしまったのだ。インタビュー記事では、そうした事実関係だけが書かれていただけだが、なんだかドキッとした。

当時、辞められなかった理由はいろいろある。

その最大の理由は、なんといっても僕には自信がなかった…ということだ。単にビジネスモデルを研究するだけならまだしも、当時の生活をなげうってまで取り組もうという覚悟が足りなかったのだと思う。これは僕にとってのターニングポイントだった。その結果、会社を辞めることなく、いまでは勤続年数は10年以上となった。

歴史に“たられば”は禁物というか無意味だけど、もし当時、そのまま彼と共に起業したら、どうなっていただろう…と考えてみるが、どうしても思考が途中で止まってしまう。なぜか想像力が働かないのだ。

ただ“想像もつかない人生が待っていた”…ということは間違いないと思う。

Posted by ろん