なぜ偉人たちは教科書から消えたのか/河合 敦

■歴史・地理,龍的図書館

433497502X なぜ偉人たちは教科書から消えたのか 【肖像画】が語る通説破りの日本史
河合 敦

光文社 2006-06-23
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聖徳太子、源頼朝、武田信玄、西郷隆盛…といった歴史上のそうそうたる面々の肖像画。日本人なら誰もがすぐに思いつく、彼らの肖像画は、どうやら間違いであったり、確証が取れていないことが多いらしい。そのため、いま教科書から彼らの肖像画が載せられなくなるくなる傾向にあるという。確かに何百年前の描かれた人物が本人かどうかなんて、確証を取るのは難しいだろうが、日本人の誰もが、疑いもなく信じ込んでしまった事実には驚かされる。

もくじには、先述の人物以外にも、織田信長や豊臣秀吉、坂本龍馬(写真もあるのに!?)で出ているから、まさかこの人たちまで確証が取れてないのか?…と思ったら、本人かどうか疑わしいとされる肖像画は、第1章の6人だけで、それ以降に出てくる人たちは、肖像画とは直接関係なく、テレビや小説での印象と異なる人物像にスポットが当てられていて、これらの人たちは、教科書から消えたわけではない。

本書大部分は「日本史こぼれ話」みたいな感じで、偉人たちの知られざる一面を知ることができる。わかりやすく書かれているから、それはそれで面白いのだけど、本書のタイトルは適切ではないのではないかと思った。