あらしのよるに(2)/きむら ゆういち あべ 弘士
あらしのよるに 2 きむら ゆういち あべ 弘士 講談社 2007-03-15 |
ようやく単行本版での「あらしのよるに(2)」が刊行された。今回もまた、ふぅさんから借りた。
「あらしのよるに」シリーズの絵本は全7話あって、すでに刊行されている「あらしのよるに(1)」では第1話から第3話までが収録されている。今回は「きりのなかで」と「どしゃぶりのひに」の2話のみなのでちょっと薄い。おかげで、会社で借りてから自宅に帰る電車の中で読み終わってしまった。
絵本なのに?手に汗握る展開は前作同様。
ヤギとオオカミという“禁断の友情”が芽生えた2匹が、自分自身との葛藤や周囲との軋轢のなかで、難しい選択を迫られる。
友情というものは当事者間にしか、その本当の価値はわからないものだなと思う。周囲から見たら“あり得ない”関係かもしれないけれど、見えない何かで結ばれた友情は、“あり得ない”を超越してしまうもの…みたいな…あまりうまく表現できないけれど。
その一方で、こうして友達になってしまったばかりに、重要な食料であったはずのヤギを食べられなくなってしまったオオカミは、これから大丈夫なのか心配になる。もしヤギ以外にも、本来食料になるはずの動物と友達になってしまうと、どんどんと食料としての選択肢がなくなってしまうわけで…。
まさにこれこそ“禁断”…いろいろ考えさせられる。