2087 不二家その2

定点観察

すでに報道されているように不二家が、洋菓子の販売を全店舗で一時休止している。

洋菓子しか売っていない近所の不二家は、当然のことながら休業に追い込まれていた。店のシャッターには休止に関するお知らせが貼ってあったが、店の前を通るほとんどの人が、その張り紙をちらっと見るか、もしくはじっと読んでいた。この問題の関心の高さが伺える。

今回の問題では、「なぜ歴史は繰り返されるのか?」とか「なぜ過去の事例から学べなかったのか?」といったことが言われているし、僕もそう思ったのだけれど、ふとこれは必然的なことだったのかもしれないという思いがした。

人間の行動の多くが、“自分自身の過去の成功体験”に基づいているのではないかというのが僕の考えだ。失敗する可能性の高い行動は、たいていは避ける。逆に過去うまくいった実績があれば安心してその行動ができる。

企業の行動パターンもそれと似たようなものではないかという気はする。
今回のような不祥事を隠そうとする体質は、以前も同じような問題に対して隠蔽しうまくいったという“成功体験”があったのではないだろうか? 隠すことでうまくいかない経験ばかりしていたら、むしろ率先して公表していたかもしれない。

企業も人間も、他人のことであっても、どれだけ自分自身のこととして認識し、それを自分のこととして考えることができるか? …ということが、とても大事なことのような気がする。

Posted by ろん