回収ルートをたどる旅/枝廣 淳子

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4822806324 枝廣淳子の回収ルートをたどる旅
枝廣 淳子

七つ森書館 2006-12
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いまありとあらゆるものが“リサイクル”されるようになった。スーパーの前には大きな回収ボックスが置かれ、ペットボトルや発泡スチロールトレー、牛乳の紙パックがどんどん入れられる光景は、いまやあたりまえのこととなった。

リサイクルといえば、以前から、紙やびんなどはよく知られているが、回収されたあと、実際にはどのような過程を経るかってことは、実はあまり知られていない。この本では、そうした“定番”の回収ルートはもちろん、さまざまな回収ルートをたどって、それぞれの業界の抱える問題点や環境によい暮らし方何かを提案する。

このうち衣料のリサイクルについては、興味深い話が出ていたので、取り上げてみたい。

現在、リサイクルように回収された衣料の、主な用途としては大きく3つあるという。1.中古衣料として輸出、2.綿状の繊維に戻しフェルト等に使用、3.工業用ぞうきん=ウェスとして使用。ただ、そのいずれもが最近はうまく利用されていないという。たとえば、中古衣料は、韓国や台湾との価格競争に巻き込まれていているとか、フェルトやウェスの需要も落ちているとか。そして、特に気になったのがこの部分。

工場からごみを出さないことが重視されている。ウェスはごみになるから、紙ウェスやレンタルウェスに切り替えるところが増え始めているんです。

なんとISO14001等の自社の環境保護の目標を達成するために、環境に優しい素材を使うことができないというのだ。紙ウェスを作るために木を切る(→使用済みのウェスはリサイクルに回せるけど…)、レンタルウェスはレンタルだから返せばいい(→ウェスを再生させるために大量の水が使われる!)社会全体のことを考えた時に、どちらが環境に優しいのか? かなり考えさせられる事例だった。