今日、ホームレスになった

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4289005144 今日、ホームレスになった―13のサラリーマン転落人生
増田 明利

新風舎 2006-07
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はじめてこの本を見かけたのは、新橋の本屋さんだった。
近所の図書館にもあると知って予約して借りた。

もともとサラリーマンだった人たちが、どのようにしてホームレスになったかを本人に語ってもらっている。

本書の「はじめに」でも書かれているが、生まれながらにしてホームレスだった人なんているわけはなく、何らかの理由があって今の生活をしている。そして、当然、まさか自分がホームレスになるなんて思ってもみなかったと誰もが言っている。

一方で、なぜホームレスになってしまったのか…という過程を知る機会というものは、これまでほとんどなかった。そこに、彼らとの間の大きなギャップを生んでいるような気がする。

読み進めていくうちに、彼らは決して遠い世界の人たちなんかではなく、誰もがなってしまうおそれのあるごく身近な世界なのだということを、否応なしに実感させられてしまう。

なかには、簡単にローンを組んで返済ができなくなったケースや、きちんと調べもせず失業保険の給付額を誤ってしまい退職後の計画が大きく狂ってしまったケースなど、多少自業自得の面もあった人もいたが、多くは、自分だけの力ではどうすることもできなかった人たちがほとんどだった。

また、ホームレスの暮らしや収入など、彼らの生活の実態なども赤裸々に明かされている。

最初から最後まで自分だったらどうするだろうという思いで読んだが、結局結論は出なかった。

(★★★★★)