1896 煉瓦通路
親戚の叔母さんが名古屋からやってきて、数日ほど実家のある埼玉で過ごすことになった。あまり時間の余裕がなかったので、とりあえず東京駅に迎えに行って、途中の池袋駅まで見送ることにした。
叔母さんはもちろん元気なのだけれど、年齢のせいもあって、長い距離をごく普通に歩くことは難しい。ごく普通の乗り換えにも少々支障がある。そこであらかじめ車いすを用意してもらって、新幹線ホームから山手線ホームまでの間を移動させてもらうことになった。
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東京駅の新幹線ホームにはすでに父と妹が先に着いていた。
JRで用意してくれた車いすも用意してあって、駅員の人も一緒に待っていた。
予定時刻通りに叔母さんの乗った新幹線が到着。久しぶりの再開を果たしてから、叔母さんは車いすに座る。
駅員の人が押す車いすは、下り寄り(新大阪方面)にずっと進んでいく。一番端近くまで来て、業務用と書かれたエレベータに乗り地下へ。
書かれている通り本来は業務用のスペースなのだが、車いすで移動するときに限って、この場所を利用することができるらしい。当然普段は見えない場所なので興味津々で通り抜ける。
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クライマックスは煉瓦造りの通路。
東京駅が作られた当初からあるものだろう。すっかり嬉しくなって写真を撮っていたら、みんな先に行ってしまった。山手線ホームまで上がるエレベータが来ていたらしく、僕を父が呼ぶ。
エレベータを上がり、到着したばかりの山手線に乗る。池袋駅に向かう車中では、叔母さんと近況を話す。
久しぶりに叔母さんに会ったのと貴重な体験が一度にできてなんだかお得な時間だった。