1878 既成概念を越える蕎麦屋
先日、他部署との打ち合わせの際、「立ち食い蕎麦でお腹いっぱいになった」という話を聞いた。「そんな、立ち食い蕎麦でお腹いっぱいになるようなことなんてあまりないだろ?」と聞くと、それがどうもそうではないというのだ。
ということで、今日の昼食は、その立ち食い蕎麦屋へ。
もともとあまり立ち食い蕎麦は利用する機会は多くないので、一概に比較する経験を持ち合わせていないが、少なくとも、こんなに真っ黒な外観で、長蛇の列ができる立ち食い蕎麦屋なんて見たことも聞いたことがない。
それがいままさに目の前に展開しているのだ。
列に並ぶこと数分。さすが立ち食いだけあって、客の回転率は早い。
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店内も、完全に黒でまとめられ、なんともシックで小洒落た感じ。店の大部分は大きなテーブルが占める。テーブルの上の白い花瓶が映える。それを取り囲むように、黙々と蕎麦をすする人の姿が、何とも不思議な光景。
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手前のレジで「冷たい肉そば」を注文。850円。無駄のない職人さばきによって出された、冷たい肉そばは、これまた従来の蕎麦の概念を越えたものだった。コシのかなり強い蕎麦をつけ麺のような形で食べる。ネギ、生卵、天かすは取り放題。ラー油が含んだつゆは、かなり濃く、普通の蕎麦とはわけが違う。うまい。行列ができるのもうなずける。この量が出れば、当然お腹いっぱいになるはずだ。
確かに、噂どおりの立ち食い蕎麦屋だった。ただ軽い気持ちで来ない方がいいと思った。食べ終わったあとの満足感は当然だが、なぜか同時にやってきた軽い疲労感と達成感。まるで何かと戦ったような感じすらする。やはり、立ち食い蕎麦屋の概念を越えているのだ。
港屋 東京都港区西新橋3-1-10 |