1778 うなずき屋

定点観察

今日は、昨日に引き続き、ライブドア家宅捜索の続報、宮崎勤事件、ヒューザー社長の証人喚問とニュースが盛りだくさんだった。そのなかで今日取り上げるのは…

テレビ東京系で放送されている「ガイアの夜明け」という番組で、過剰な演出がなされ、それが放送倫理に違反するという見解が「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC)から出されたというニュース

問題となったのは、この番組の「消える高齢者の財産」という特集で、お年寄りの話し相手に「うなずくだけで2時間1万円」という商売が紹介されたシーン。以前紹介した不必要なリフォームをさせられたという話や、「ふとん」「健康食品」といった訪問販売を巡る、高齢者を狙った犯罪やトラブルなどと一緒に紹介されたらしい。こうした番組構成だけでも、「こんな“あくどい”商売があるんだ」と視聴者に知らしめるには十分だが、さらにあらかじめ依頼人に現金が渡されており、授受のシーンがやらせだったという。

テレビ東京を代表する比較的評価の高い番組ですら…というか、そうした番組だからこそなのか、こうしたやらせや過剰演出が絶えない。結局は視聴者が注目したり関心の高い「結論ありき」で番組が作られているからだろう。

ただ、今日のニュースからは「うなずき屋」の本当の姿は見えてこない。

番組で実際に「うなずき屋」として紹介され方がコメントを寄せているブログを読むことができた。それを拝見すると、とても“あくどい”商売とは思えず、「うなずき屋」を主催する真摯な姿勢が垣間見えた。

今回のような「やらせ」の存在がこうしてニュースによって伝わるものの、その真の内容が伝わらずに、表面的に「うなずき屋」という商売の存在だけが広まり、結局「うなずき屋という“あくどい”商売がある」というこだけが、一人歩きしてしまわないかと心配になる。「やらせ」や「過剰演出」は、インパクトが強いだけに、訂正はもちろん、本当の姿というものもなかなか伝わりにくいものだ。今回は「うなずき屋」本人の方のコメントを拝見したので、一層そのことが心配になった。

Posted by ろん