1664 いつもの人

定点観察

 毎朝だいたい同じ時間を会社に向かうと、当然同じ時間帯で通勤する人たちと同じ電車に乗り合わせたり、同じ場所ですれ違うことになる。当たり前と言えば当たり前なのだけど、改めて考えるとなんだか妙な感じ。街を歩く人は、ほとんど風景みたいなものだから、意識しなければ、全く意識しないで済むのだけど、ひとたび気になりはじめると、ちょっとした変化でも気になってくる。

 毎日利用している駐輪場に詰めている係のおじさんたちは、ただ毎朝挨拶をするくらいで、特にそれ以上話をすることはないのだけど、一度話をさせてもらったことのあるおじさんが、そういえば最近見かけなくなったことに気付く。名前も知らないし、以前一度話したきりで、特に何があるというわけではないけど、見かけなくなるときになってくる。辞めちゃったのかな…?

 新橋駅付近にはかなり大勢のホームレスがいる。彼らは、ずっと同じところにいることはあまりなくて、ほとんどの場合同じ場所で会うことはない。彼らは、動き自体は非常にゆっくりだが、常に動いている。でもだいたいのテリトリーというか生活の範囲は限られているので、数日の間のうちにだいたい見つかる。なのに、しばらくの間見かけなくなると、別に寂しくはないけど、何かが起きたかな?とやはりちょっと気になる。

Posted by ろん