1607 消えたもの

定点観察


新橋のガード下ではバンド演奏が…
(今日の写真ですが、本文とは関係ありません)

 今日、久しぶりにアドバルーンらしきものを見た。よく知られたアドバルーンと違って、形は飛行船のような感じで、しかもずいぶんと高いところまで上がっていたので、まるで本当の飛行船のような感じもした。けれど、人の乗るところはなくプロペラ等も付いてなかったので、おそらくはアドバルーンかなにかなのかなと思った次第。

 考えてみると、そういえば、ごく普通のアドバルーンを見なくなって久しい。以前は、何か催事があれば、よくあがっていたように記憶している。思い出すのは、夏の澄み切った青空に天高く伸びるアドバルーン…。消えた原因は何だろう?

 すぐに思いつくのは、高い建物が多くなり、アドバルーンの役目を果たしにくくなったということだろうか?東京近郊で見られなくなったというだけで、実はまだ見られる地域もあるのかもしれない。

 最近見かけなくなったと言えば(以前も書いたことがあるけど)、建設現場で見られた、杭打ち機。「ゴーン、ゴーン」とものすごい音を立てて、杭が打たれていくさまは、ダイナミックで、いかにも高度経済成長を象徴するような、「所得倍増!」、「列島改造!」みたいな感じのする建設機械だった。
 夏の暑い日に、蝉の鳴き声と一緒に聞こえてきた杭打ち機の音がいまでも頭の中でなっている。そんな杭打ち機の最後の音を聞いたのはいつだっただろう。なくなってしまったのは、当然騒音や振動による影響が大きかったからだろう。

 アドバルーンも、杭打ち機も、僕の中では、なぜか夏のアイテムだった。今日久しぶりに見た、アドバルーンみたいなものを見ていたら、こんな意外なものが思い出に変わっていくんだな…なんて思った。

Posted by ろん