1563 汐留トワイライトゾーン

定点観察

なかなか向こうに行けない

 汐留再開発で当初は、とても注目されていたのに、最近ほとんど触れられてない地域がある。
 「汐留シオサイト5区」…以前は、チッタイタリアと呼ばれていたが、商標権の問題で、ヴィータイタリアと名称を変更したものの、あまりその名前で呼んでも、通じない場所…シオサイト公式ホームページでは「イタリア街」と書かれている。公式ホームページにそう書かれているので、とりあえず「イタリア街」と呼ぶことにする。
 ここは以前から気にはなっていたが、新橋からも汐留のオフィスビル群からもちょっと離れているため、行く機会がなかったが、先週の昼休みに思い切って観察しに行った。


海岸は遠いけど 広大な空き地の向こうに…

 汐留側から直接向かおうとしたら、線路沿いになんだかずっと工事が続いていて、なかなか入ることができず。ようやく見つけたJRのガード下をくぐり、イタリア街へ…と言いたいところだが、目の前に広がったのは、空き地とプレハブの事務所だった。住所は港区海岸一丁目1。
 空き地とプレハブの向こうには、一風変わった建物群が見えている。あれが「イタリア街」なのだろう。なかなか良さそうな雰囲気♪と思いつつ歩いていくと、その期待は簡単に崩れ去った。

まるで、ハリボテ

 ついさっき見えたイタリア街のビルは、まるで張りぼてのようにかなり薄く、後ろの非常階段が露出してしまって、ものすごく安っぽい感じだった。本来はすべてのビルが建つことで、非常階段も隠されて、イタリア街としての体面が保つことができるはずなのに、空き地だらけで、中途半端にビルが建っている様は、気の毒としか言いようがない。

 また、ちょうとお昼休みというのに、あまり人は多くなく、一番多かったのは、JRAの馬券売り場の警備員という有様だった。張りぼてのビルの一部は、1階にテナントが入っていないのもあり、その寂しい雰囲気に一層の拍車を掛けている。

イタリアらしい?風景を探すのはひと苦労 やたら立派なJRAの馬券売り場

遠くに世界貿易センタービル

 なぜ、ここをイタリアにしなければならなかったのだろう? まったく動機がわからないし、ここにイタリアを作り上げるという強い意思も感じられなかった。別に他人のお金なので、とやかく言われたくはないだろうが、街を作るというのは、それなりの責任というものがあると思う。

 今回この文を書くに当たり「ヴィータ・イタリア」を検索サイトで調べてみると、新たに「コムーネ汐留」という新しい名前が出てきた。載っている写真を見ると、ここのイタリア街のことらしい。「コムーネ汐留」っていうのも初耳だし、そもそも「ヴィータ・イタリア」はどこに行っちゃったんだろう。
 前に書いたように、商標権の問題で「チッタ・イタリア」という名称も使えなくなったという経緯もあり、全体的によくわからないプロジェクトという印象を受ける。

 果たして、このプロジェクトはどうなっていくのだろう。まだ建物の建設は続いているようなので、しばらくしたらその後の様子を見に来たい。

Posted by ろん