1423 因果関係を考える

「40-60代の男性約4万5000人を約10年間追跡して、この間に自殺した173人の喫煙状況を調べた結果、1日の喫煙本数が20本未満の人と比べて、自殺の危険性は30本以上40本未満の人で1・4倍、40本以上の人で1・7倍に高まった」…これだけ見れば、やはり喫煙は肉体的に有害であるばかりでなく、精神的にも有害なものだと実感させるには十分な数字だ。こうした結果を完全に否定するつもりはないけれど、この手の調査は、どうしても禁煙を勧める意識のもとに行われるケースが多いだろうから、少し注意してみる必要がある。「喫煙本数が多いから自殺が多い」のではなく「自殺に追い込まれる状況にある人の喫煙本数が増える」と考える方が自然だと思う。自殺の要因はひとつじゃないし、このニュースを伝えた記事にも「たばこと自殺の因果関係は未解明の点が多く、禁煙で自殺が減るかどうかも研究課題だ」とはっきり書いているのにもかかわらず、見出しは「たばこ多いほど自殺の危険」になっているし、その点に注目した内容になってしまっている。こんな比較的わかりやすい話ならいいけど、意外と気付かずに言いくるめられていることがあるかもしれないと思うと、ちょっと怖い。

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