晴れた日は巨大仏を見に/宮田 珠己

4560049920 晴れた日は巨大仏を見に
宮田 珠己

白水社 2004-06
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 日本には著者が認定した巨大な大仏=巨大仏が16箇所あって、それらのほとんどを著者が直接見に行ったお話の数々。もうタイトルからしてすっとぼけた感じだし、内容も軽妙な文体でおもしろい。著者と同行する編集者も変わった人たちで、(本編とは関係ないところで)彼らの言動も見逃せない。日本中の巨大仏を見る旅は、そのまま「なぜ巨大仏に興味が出てきたのか」を探る旅になっている。著者は「巨大仏がおもしろいと思うとき、それは本来の宗教というルールをはずして見ているからいいのであって、真剣に信仰心から見ろと言われたらきっと興味がなくなる」と書いている。大仏から宗教を取り除いたら、それは単なる巨大な像であり、日常生活とはまったく乖離した異空間だ。つまり「ルールで割り切れない風景が好きな人」というのは、「社会のルールに乗らず」、「無意味な風景を肯定しよう」とする人たちであるという考え方には共感できる。社会のルールに乗らないというのは、与えられた事象をそのまま鵜呑みにするのではなく、一歩引いて冷静な目で判断しよう(楽しもう)というひとつの生き方だと思う。世知辛い世の中、こういう人は増えてくるし、僕もそんな人たちの一人。

(2005/1/9) 【★★★★☆】 -05/01/30更新

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