機長の「失敗学」/杉江 弘

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4062118009 機長の「失敗学」
杉江 弘

講談社 2003-04
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著者は現役の旅客機の機長だそうだ。当然同業者ならば御巣鷹山に墜落したJAL123便の事故については一言も二言も言いたいことがあるだろう。そんな思いを綴っている。失敗から何を学ぶか?というごく当然のことを真正面から取り組む姿勢は、(本書を読む限りでは)曖昧な報告に終始した、事故調査委員会や現役の航空会社関係者に読んでもらいたい内容ばかりだ。こうした内容に批判的な人も多いようで「殉職したクルーに失礼だ」とか「死者の霊にむち打つのか」という意見も少なくないとのこと。でも利用する側からしたら、こうした事故を起こして欲しくないのは当然で、鞭打つとか失礼という批判は間違ってると思う。亡くなられた方もきっと理解してくれると思うがどうだろう?本書後半では著者の数々の経験で問題を切り抜けていった様が生き生きと描かれている。でも読み終わってふと思った。この著者の失敗ってほとんど書かれていなかったような…気のせいかな?
(2004/10/09) 【★★★☆☆】 -04/10/10更新