1229 プラットホームで

定点観察

今日も帰りが遅くなってしまった。もちろんもっと遅くなってしまっている方たちもいるけれど、自分としてはこれでもいっぱいいっぱい。駅のプラットホームでぼーっと電車を待っていた。いきなり、斜め前に立つ男が、紙くずやゴミみたいなものを次々とポケットの中から取り出しては線路やホームに捨て始めた。あまりの突然の行動に、びっくりして見ていたら「なんだよ!」と凄んできた。幸いにも目を合わせていなかったので、見ていないふりして無視した。その後、ふたたびその男はゴミを捨てている。ちょうどそのあたりで電車が入ってきた。偶然向かい合わせに座る。次の駅に着く頃、その男の携帯電話が鳴り話をしていた。「いま電車の中だから…」と言っている。多少はそういう公共性を持ち合わせているようだ。携帯電話を手にした指には結婚指輪が光る。そうか、この男には嫁もいるのか。ホームでゴミを撒き散らし、それを見ていた人に凄む姿を、この男の嫁はどう思うのだろう?理解に苦しむ人を見るたびに、その人にはどんな生活があって、どんな家族がいるんだろう…なんて思う。

(2004.6.8)

Posted by ろん