1169 真実はひとつのはず…

定点観察

仙台で起きた筋弛緩剤混入事件で被告に無期懲役の判決が出た。捜査機関のでっち上げで無罪を主張する被告側と凶悪な事件であるとして無期懲役を求める検察側と真っ向から対立した結果、検察側の意見を全面的に採用する結果となった。これほどまったく意見の異なる事件もめずらしい。実際にこの病院では立て続けに同様の症状を訴えた患者が何人も出ているという事実…これだけが、双方が認める真実だが、それに至る経緯については、当然まったく異なった解釈となっている。それぞれの立場にとって、真実はひとつではない。99年12月に起きた徳島の自衛官変死「事件」は、再捜査の結果「事件性なし」として不起訴処分となった。当時自殺として処理されたが、そもそも自殺の理由がなく現場の状況から自殺と判断するには不審な点が多い「事件」だったが、結局当時の警察の判断が覆ることはなかった。ここでも立場によって真実はひとつではない。でも、少なくとも何の罪もない方々が事件に巻き込まれたという真実は間違いないわけで、本当はどうだったのか?どうすれば全貌がわかるのか、これらの事件を考えるたびにもどかしさを覚える。(2004.3.31)

Posted by ろん