643 自由研究

定点観察

子供たちの夏休みがそろそろ終わろうとしている。今の子供たちの夏休みの宿題というのは、僕らの頃のそれとは、変わっていないのだろうか?思い出してみると、毎日の歯磨きをしたかどうかという「歯磨きカレンダー」、算数や国語の「ドリル」(・・・それにしても、ドリルって不思議な言葉だ)、その他「自由研究」
、小学校の低学年の時は「絵日記」なんてのもあったかな? あとなんだっけ?まぁ盛りだくさんあったことは事実だけど、もう思い出せない。夏休みの宿題は、7月中に終わらせるようにしていたので、なおさら大変だったように記憶している。◆この「自由研究」という夏休みの一大イベントに、最近は特に大人が介在しすぎるような気がしてならない。テレビや雑誌はもちろん、企業やはたまた地方公共団体までもが、夏休みの子供たち向けのイベントなどを開いて、夏休みの「自由研究」情報提供サービスをしている。もう、最近はすっかりお決まりの行事みたいになってきたけれど、僕らの頃には、そんなサービスなんてなかった。結局は自分でやるか、はたまた家族に手伝ってもらう!?しかなかった。今は、本当に選択肢が多いけど、これでいいのかと、ちょっと心配になる。きっかけを考えるということが、自由研究の大きな課題のひとつなのに、それを奪っているわけだ。考える力を失わせてはいないか? 与えられたきっかけというのは、結論まで出ていることも多く、創作するような課題(図画とか工作とか)以外は、研究することすら意味をなさないこともある。もう自分からはすっかり縁遠くなった「自由研究」だけど、ちょっと気になる。

Posted by ろん