465 カニの死

定点観察

あさりのパックに、なにやら動くものがいた。小さなカニだった。大きさはわずか2~3mm程度。まさか、このまま茹でるわけにもいかず、かといって捨てると言うことも忍びなく、あさりが浸かっていた水といっしょに皿の上に置いておいた。最初はほとんど動かなかったが、しだいに少しずつではあるけど、足をばたつかせるようになってきた。しかし、長い間冷蔵庫の中にいて、こんな小さなカニでは、そう長くは生きられないことはわかってはいたけど、翌日には動かなくなってしまった。今晩にでも埋めてこようと思う。◆あさりと一緒に海から運ばれてきた、カニ。もしかすると日本からじゃないかも知れない。きっとずいぶん長い旅をしてきたことだろう。食用でもないカニがまさかこんなところで命を全うするなんて思ってもみなかっただろうと思うと、なぜか悲しくなった。

Posted by ろん