身近な動物を失うということは、動物たちの寿命を考えれば、ごくごく当たり前のことなのに、これまで身近に感じたことはなかった。
テールと分かれた翌日、図書館で見つけたこの本では、僕と同じように家族同様に暮らしてきた動物を失った人たちの手記を集め、冷静な目で、「動物を看取る」という現実を考えていく。後半では、対談形式で獣医師からの視点、大事な愛犬を失った著者自身の手記など。
もしもらったものも大きかったということになれば、死んでいった動物が残された人たちのなかに生きているということになりますね。そうすると動物は死んでいないわけです。実体としては喪失しているけれども、本質的なところでは死んでいない自分の中に入っている。(本文より)
動物を看取るということ 三井ひろみ[著] 晶文社 \1,800 |