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社会科見学

ANA機体整備工場


 全日空(ANA)の「機体メンテナンスセンター」は、平日の1日3回(10:00〜/13:00〜/15:00〜)、事前に申し込むと無料で見学させてくれる。以前から見てみたかったけれど、平日に限るというのがネックだった。

 インターネット上で申し込みができるのはありがたく、今回、なんとか有給休暇を取得することができる機会があったので、なんとか調整して申し込むことができた。
全日空機体メンテナンスセンター 承認済み

工場に向かうところ…


歩いて十数分ほど

申し込んだのは午前10時からの回だったから、いつも会社に行くのとあまり変わらないくらいの時間に自宅を出発。

最寄り駅は、東京モノレール羽田線「新整備場駅」。写真は帰りがけに撮ったものだが、駅の出入り口から、飛び立つ飛行機が間近に見える。


そこから、てくてくと歩いていく。飛行機を整備する工場が立ち並ぶ。手前からずっと日本航空の工場が続く。地図がなかったら、本当にこのまま歩いていっていいか、ちょっと不安になるが、今日訪れる全日空の工場はその一番奥にある。

地図が古くて滑走路やターミナルビルの数が足りないが、位置関係はこんな感じ。

約800mほどの道のりで歩いて10分ほどで到着。

入口の守衛さんに、事前に印刷しておいた入館証を出す。さらに別の申請書に住所氏名等を記入、見学者用のワッペンをもらって、ようやく建物の中へ。やはり警備は厳重だ。

講義は…


教室へ
 教室のようなセミナールームのようなところに通される。すでにたくさんの人たちが席に着いていた。中学生や高校生くらいのグループ、マニアの“大きな”お友達、おそらくキャビンアテンダントを目指していそうな、若い女性の二人や三人組といった顔ぶれ。

教室にはいろいろな資料が置かれていて、手に取ってみることができる。

模型だけでも楽しい

従来の素材と新機種の素材の違い

新機種の素材のサンプル

縁のないビジネスクラスのシート

10時になり見学会スタート。最初に飛行機の整備に関するビデオが上映され、その後、係の方による整備に関する説明を聞く。途中で出席者に対してクイズが投げかけられる。意外と難しいクイズで、挙手をして…と言われてもなかなか手が挙がらない。当たった人には記念品が…というと、少しずつ反応が良くなる。もともと飛行機に関心のある人たちが来ているのだから、徐々にではあるが盛り上がってくる。

いよいよ工場見学へ
 約40分ほどで講義は終了。
 教室後ろのロッカーに置かれたヘルメットをかぶって、いよいよ工場見学へ。

 3つのチームに分かれる。係の人から所属するチーム(順番)の指示を受けて出発。

工場では…


工場に入ると…

教室から出ると工場の最も高い場所から見下ろすような感じの景色が広がる。

とにかく広い!

格納庫は東京ドーム1.8個分の大きさがあり、つい最近まで世界最大の大きさを誇っていたらしい。あの巨大なジェット機が建物の中にすっぽりと収まっているという姿に、この建物の大きさを実感する一方で、逆に大きさを感じる感覚が麻痺してしまう感じ。

格納庫の外には、止まってる飛行機や、今まさに着陸しようとしている飛行機が見える。

目の前が滑走路だし、工場の中だし、もっと騒々しい感じがするかと思ったら、意外と静かな感じがした。

 上層のフロアから階段を使って徐々に一番下まで降りていく。

 途中で何度か立ち止まって解説してもらう。難しすぎず、かといって省略しすぎない程度の説明で、とてもわかりやすかった。

飛行機を真後ろから見る
 普段は決してみることのできない角度から飛行機が見られるのは、工場見学ならでは。

横から見た時あれだけ巨大だった垂直尾翼が、完全に真後ろから見ると、ほとんど“線”のようになってしまう。空気抵抗を減らすためだろう。

ちなみに、この機種はボーイング777。垂直尾翼の付け根…胴体の部分は、右の写真のようになっている。知らなかったのは、補助動力装置が左側に寄っているが、このようになっているのは、この機種の特徴ということで、遠く離れていても容易に判別できるポイントらしい…
…φ(..)メモメモ

ボーイング747がすっぽりと…
 
先述の通りこの建物のせいで?感覚が麻痺しているが、2007年時点で使用されている商用飛行機の中で、世界最大のボーイング747型機が、すっぽりと建物の中に収まっている。垂直尾翼を目の前にすると、こんなに大きかったんだ…ということを改めて実感する。

説明はとてもわかりやすい

上層のフロアから階段を使って徐々に一番下まで降りていく。
途中で何度か立ち止まって解説してもらう。難しすぎず、かといって省略しすぎない程度の説明で、とてもわかりやすかった。

ただ実際の工場の中をどんどん歩いていくので、歩きやすい靴でないとちょっと大変かも。

一番下のフロアへ

目の前は滑走路

工場は滑走路に向かって大きく開放されているで、次々と飛んでくる飛行機を目の当たりにすることができる。あいにく、飛んできたのが赤い垂直尾翼を持つ会社の便ばかりだったので、説明する係のお姉さんもちょっと気まずい?感じだった。

見学もそろそろおしまい

 いま全日空では座席を取り替えている真っ最中らしく、真新しい座席が大量に並んでいた。新しい座席は、従来のものに比べて軽くできていたり、前の座席に入っている雑誌のポケットの位置が高くなって、膝が当たらないように工夫されているらしい。



最後に作業員の工具箱を置く場所を見学。

工具箱には鍵がかかるようになっている。工具にも各自の名前が書かれていて、ひとつでもなくすことのないように厳重に管理されている。

もし機体の中に工具が残されたままだと、確かに飛行時に問題が起きるかもしれない。


見学を終えて…


予定通りに終了
 11時半に見学は終了。ヘルメットを返して、扉を出ると、そこは建物の玄関だった。

 入ってきた時にはあまり気にしなかったが、ここにもいろいろ模型やかつて実際に使っていた操縦シミュレータなどが置かれている。模型には「絶対にさわらないで」と書かれていて、逆に何度も触られてしまったことを物語っているようだった。

 売店もあって、飛行機に関するお土産などを買うことができるようになっている。「工場限定」といったものはないようだが、なぜか市価より若干安く売られている。

とても名残惜しい気もしたが、工場をあとにする。
見学のタイミングによって、検査を受けている機材が異なることや、3つのグループに分かれて見学するときの内容も異なるようなので、まもなくボーイング787型機が世界で初めてやってくるし、機会があればまた見学してみるのも楽しそう。

とても有意義な時間を過ごすことができた。



2007.2.22