| 趣都の誕生 萌える都市アキハバラ |
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森川 嘉一郎/著
幻冬舎
1,575円(税込)
秋葉原の雰囲気が変わってきたと感じるようになったのは、ごく最近のことだ。それもあらためて思い返してみると…と言ったレベルである。
かつて高校時代には電子部品を買うため、何度も足を運んでいたが、大学進学以降は足が遠のいていた。その後、仕事柄、秋葉原が無縁の街ではなくなったこともあり、行く機会は増えた。秋葉原の変化を感じる機会は少なくなかったはずなのだが、アニメキャラクターで覆われてきたという違和感はなかった。それだけオタク趣味のアニメキャラクターと秋葉原の親和性が高いと言えるのかもしれない。
本書は「東京」「都市」「建築」「航空機」から、はては「オウム真理教」に見られたサティアンに至るまで、さまざまな切り口で、世界的にも類を見ない趣味が露出した都市”趣都アキハバラ”誕生の背景を解説している。著者の見識の幅の広さに驚く。
口絵の写真では、秋葉原とその他の都市と比較することで、その特異性を明らかにしている。
人格が偏在(秋葉原と渋谷で、それぞれ撮った写真に写った人たちの雰囲気…体型!が最初から決定的に異なる)、建物の壁がどんどん透明化するのが渋谷で、窓がどんどんふさがれ不透明化するのが秋葉原、ブランド品や外国人の広告が並び海外指向なのが渋谷で、あくまでもメイドインジャパン指向なのが秋葉原…などなど、とても興味深い考察が並ぶ。
アキハバラとオタクを通して、都市とは何なのか?を考える。
(2005/3/27) 【★★★★★】 −05/3/27更新
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| 珍日本紀行 |
都築 響一/著
アスペクト
9,991円(税込)
週刊誌「SPA!」で連載中のコーナーで紹介されたネタを一堂に集めた、日本の変わった風景ばかりの写真集。9,991円ととても高価。
−にやけたオッサンと派手な女が田舎道を歩いている。向こうのほうで草むらにかがみ込んでいる作務衣の男一名。女が突然手を振ったかと思うと叫ぶ。「こんにちわ〜、なにやってるんですかぁ〜」男は驚きもせず振り返って「いやー、山菜を採って天ぷらにするんですよ。食べに来ませんか」とか堪えてカメラ目線で笑う。ふざけんじゃねぇよ。いきなり声かけられて、へらへら笑って家に招くほど田舎の人間はお人好しか。−(前書きより)
まさに今の旅番組やガイドは、こんな感じの繰り返し。伝える方もそれを受け止める側も、ある種の「お約束」というか「暗黙の了解」が成立している。極論すれば「やらせ」が正当化されている珍しい分野かもしれない。でも「それでいいのか?」と思う人は、決して少数ではあるまい。先述の”お約束”や、誰もが認める観光地ばかりが観光じゃないし、正しい日本の姿を伝えていない。こうした日の当たる部分ばかり見せつけられていると、逆に日の当たらない陰の部分に関心が出てくる人が出てきても不思議でもない。
インターネットやデジタルカメラの普及に伴って、こうした変わった風景を追い求める人が僕を含めて増えてきたと思う。
撮影の対象は日本全国だが、意識的か結果的なのかわからないが、東京、埼玉、神奈川にはなぜか一件もない。
(2005/2/1) 【★★★★☆】 −05/02/20更新
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| 建築MAP東京、建築MAP東京・2 |
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正体不明、新・正体不明 |
ギャラリー間/編
TOTO出版
1,680円(税込)/建築MAP東京
1,890円(税込)/建築MAP東京・2
東京における注目すべき現代建築を網羅している。10000分の1(miniは15000分の1)の地図に対象となる建築物の位置を示し、その建物の基本的 なデータと解説をつけてあって、実際に見学しに行きやすいように配慮されている。またコラムも示唆に富んでいる内容で読み応えがある。ただ難点を言わせてもらえれば、(想定した読者の対象が違うのかもしれないけれど)全体的にかなり専門的な内容で難しく、紹介された建築物に対する解説が、どれも好意的なものばかりなのがちょっと気になった。ひとつの建築物に対する意見は多様なはずで、そのあたりにも触れて欲しい気がする。建築MAP東京2は、六本木ヒルズをはじめとして、前作で紹介されていない1990年代以降の建築物を紹介している。 (2005/1/8) 【★★★☆☆】 −05/1/8更新
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赤瀬川原平/著
東京書籍
2,039円(税込)/正体不明 2,100円(税込)/新・正体不明
路上観察だけではおもしろくない。見たものを写真に収めて、それに自分なりの言葉でコメントしていくことで、おもしろみが出てくる。それを実践したのが、この本。もしコメントがなければ、ただの写真に過ぎないし、逆にコメントだけでは何のことだかわからない。「植物ワイパー」とか「凹んだ凸」なんていうコメントは、自分も感じそうな視点もあったので「先に取られた」みたいな気がしてしまった。前作の「正体不明」は93年発売だったから、この「新・正体不明」まで、実に10年のブランクがある。どちらを見ても、その時の経過をほとんど感じさせなかった。「新々・正体不明」に期待したい。また10年後かな… (2005/1/8) 【★★★☆☆】 −05/1/8更新
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| 東京窓景 |
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晴れた日は巨大仏を見に |
中野 正貴/著 河出書房新社
3,045円(税込)
風景や建物を中心とした写真を撮ろうとするとき、当然撮りたい風景や建物が中心となって、あまりそれとは関係ない人の姿(特に場違いな格好をした観光客など)は、写真の中に収めたくないと思う。もちろん人の姿を完全に消すことなんてできないので、ある程度妥協してシャッターを押す。ただ、この写真集のように、まったく人がいなくなってしまうと、とてつもない違和感を覚える。おそらくこの違和感を世の中の人と共有しようと写真集にしたのではないだろうか?見慣れた東京の風景から人影が完全に消えている。目を凝らして、どこかに人はいないか探してしまった。でも考えてみれば、これらの写真一枚一枚に最も近い位置にいるのは、実はこの撮っているカメラマン本人だったりする。1990年から2000年までの「誰もいない」東京の姿を写しだしている。写真はいきなり汐留の貨物駅から始まる。もちろんいまではすっかり再開発が進んでしまったが、写真では貨物駅としての役割を終え、使われなくなった車掌車(緩急車)や貨車がずらりと並んだ姿が見られたり、お台場のフジテレビが建設途中だったり、今はなき企業の看板が見えたりと、わずか10年ちょっとの間で、すっかり変わってしまった東京の変貌ぶりも楽しめる。とてもおもしろい写真集だが、ひとつだけ言いたいのは、撮影した場所を巻末に載せてはいるものの、全部ローマ字でわかりにくい。しかも巻末の一覧にはページ番号が載っているのに、写真集本編には一切ページ番号が載っていないので、写っている風景と巻末の一覧から類推するしかない。それも楽しめばいいのかもしれないけど、やはり面倒。
(2005/1/8) 【★★★★☆】 −05/1/8更新
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宮田 珠己/著
白水社
1,680円(税込)
日本には著者が認定した巨大な大仏=巨大仏が16箇所あって、それらのほとんどを著者が直接見に行ったお話の数々。もうタイトルからしてすっとぼけた感じだし、内容も軽妙な文体でおもしろい。著者と同行する編集者も変わった人たちで、(本編とは関係ないところで)彼らの言動も見逃せない。日本中の巨大仏を見る旅は、そのまま「なぜ巨大仏に興味が出てきたのか」を探る旅になっている。著者は「巨大仏がおもしろいと思うとき、それは本来の宗教というルールをはずして見ているからいいのであって、真剣に信仰心から見ろと言われたらきっと興味がなくなる」と書いている。大仏から宗教を取り除いたら、それは単なる巨大な像であり、日常生活とはまったく乖離した異空間だ。つまり「ルールで割り切れない風景が好きな人」というのは、「社会のルールに乗らず」、「無意味な風景を肯定しよう」とする人たちであるという考え方には共感できる。社会のルールに乗らないというのは、与えられた事象をそのまま鵜呑みにするのではなく、一歩引いて冷静な目で判断しよう(楽しもう)というひとつの生き方だと思う。世知辛い世の中、こういう人は増えてくるし、僕もそんな人たちの一人。
(2005/1/9) 【★★★★☆】 −05/01/30更新
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| 偽装するニッポン-公共施設のディズニーランダゼイション |
中川 理/著
彰国社
2,447円(税込)
ディズニーランドのような閉鎖された空間でのみ体感できた「テーマ」が、いま日本中で、本来ならば「ありえなかった」空間に進出している。筆者はこれを「ディズニーランダゼイション」と読んでいるが、歴史上存在しなかった天守閣や地元とは直接関係ない有名建築を模しただけの公共施設、地元にゆかりのキャラクターを頭に乗せた電話ボックスやトイレといった、一風変わった施設が日本のあちこちで見られるようになってきた。今や見慣れてきた感もあり、よほどのことがない限り驚かなくなった。本書では写真付きで実例を挙げている。観光本では一般的に見どころとして紹介されていることが多いので写真で見たことのあるものばかりだ。冷静になって考えてみると、それらのディズニーランダゼイションが、本当にその地域や生活という現実と結びついているのかというと、どうも疑問を感じずにはいられない。何となく感じる「わざとらしさ」だ。実際に本書でも、現実とイメージが乖離している(p.208)という例を挙げている。ただ最後まで読んでも「じゃあどうすればいいの?」という結論がわかりにくかった。ただ単純に「ディズニーランダゼイション」に走るんじゃないよという警告として受け止める必要はありそうだ。特に行政に携わる人たちに読んでもらいたい…かも。
(2004/9/28) 【★★★★☆】 −04/09/28更新
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| 日本の風景を殺したのはだれだ? |
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TOKYO KENCHIKU SAMPO |
船瀬 俊介/著
彩流社
1,995円(税込)
「自分の好きなデザイン、色で家を建ててナニが悪い」「高い金払うビルや。好みの外観にするのは当然」「個人の財産権や。憲法でも保障してまっせ…」。今の都市の風景がゴチャゴチャしている背景をこんな言葉でまとめている。でもなんでみんな関西弁なんだろう…と思ったところから、この著者のかなり偏向した書き方が鼻につく気がしてきた。この著者の船瀬俊介って、あの「買ってはいけない」の著者でもあったのね。視点は悪くないし同感できる部分も多いのに、書き方がどうも気に入らない。この違和感は何なんだろう。箱根湯本駅の改修を小田急に頼んでみたり(実際は箱根登山鉄道)、川越の蔵造りの街並みのある商店街を「小江戸通り」と読んでみたり(実際は一番街)、知ってる人が見たらすぐにおかしいと思うところがこうして出てくると、他の記述も胡散臭く見えてきてしまう悪循環。日本の建築にもの申す姿勢はいいんだけどね…
(2004/10/09) 【★☆☆☆☆】 −04/10/10更新
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矢部 智子/編集
宮坂 恵津子/写真
ブルース・インターアクションズ
1,890円(税込)
東京における代表的な建築物25を集めた本。本書で紹介された場所への地図や、知ってると便利な建築用語、紹介された建築家のプロフィールなどもあり、建築関係に興味を持ち始めた人の入門書としてもいいと思う。入門書としてもいいなと思う。たとえば歩き方なんていうのも、懇切に解説してくれていて…
1 立ち止まってみる
2 歩いてみる
3 すいているときに行く
4 写真にとってみる
5 想像してみる
6 何にも考えない
なるほど、言われてみるとどれもとても大事なこと。こんなことを留意して、これからは建築見物しに行ってみよう。
(2004/11/01) 【★★★★☆】 −04/11/14更新
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| トンネルものがたり 技術の歩み |
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都心活性化地図 |
吉村恒/監修
横山章・下河内稔・須賀武/著
2,520円(税込) トンネルの掘り方の歴史が、興味深く綴られている。当然だけど、ただやみくもに掘ってわけではなく、できるだけ安全、早く、そして安価でできるかということの戦いだということがよくわかる。トンネル技術は、日本が最先端というイメージを持っていたのだけど、それはつい最近のことで、それまではヨーロッパの方が圧倒的に進んでいて、特にオーストラリアで開発された「ナトム工法」という、掘削直後の抗壁に薄くコンクリートを吹き付けて、必要があれば補強するという方法は、全世界のトンネル工事に影響を与えたことなど、こういった本でなければ、知るよしもないことを学べた。(2002/06/30)
(店長オススメ度: ★★★☆☆ /2002/06/30更新)
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成戸寿彦/編 青山 /編
1,630円(税込)
最近、都心でにょきにょき高層ビルが建ってきたように思える。ちょっと前の本だけれど、そんな都心のプロジェクトを地域別に解説している。その多さにはビックリする。(2002/7/18)
(店長オススメ度: ★★★☆☆ /2002/07/18更新)
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| 廃墟の歩き方 探索編 |
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今、公園で何が起きているか |
栗原亨/監修
1,890円(税込) この本がきっかけなのかよくわからないけれど、ちょっとした廃墟ブームらしい。そういえば小さい頃近所にお化けマンションと呼ばれたアパートがあったっけ。あと、ついでに思い出したのは、小学生の頃、近所で一戸建てを全焼する火事があって、その数日後、友達を連れて探検したのを思い出した。それを自慢げに母に話したら、こっぴどくしかられたな。(2002/7/18)
(店長オススメ度: ★★★★☆ /2002/07/18更新)
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伊藤 章雄/著
ぎょうせい
2,700円(税込) 筆者は東京都の公園を管理する外郭団体の職員達で、公園運営の大変さや今後の公園のあり方について、管理する立場から書かれている。葛西臨海公園の観覧車が公園行政にとってかなり画期的なことであるとか、旧古川庭園のライトアップの苦労話など、あまり知られていない興味深い話を見ることができる。(2003.7.6)
(店長オススメ度: ★★★☆☆ /2003/07/06更新)
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| 世界のサインとマーク |
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東京圏これからの伸びる街 |
村越 愛策/著
世界文化社
2,520円(税込)
日本はもちろん世界中のピクトグラムを集めた本。さまざまなマークや標識が溢れているが、それらの由来や登場の背景など、よく見かけている割には、なんにも知らないサインやマークを、交通標識や環境といったテーマごとに分類し、分析している。マークを見ているだけでもなんか楽しい。(2004/6/20)
【★★★☆☆】 −04/06/20更新
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増田 悦佐/著
講談社
1,890円(税込)
街にも寿命や性別、性格がある…という視点に立った本。これまでうすうす感じていた街の特徴を、この本の著者なりの考えで分析している。鉄道がその街をどのように交差しているかで街の性格を表すという考えは、ちょっと興味深かった。鉄道が直角交差している都市は、「大衆的」「庶民的」であり、代表的な例としては新宿があげられるという、斜めに交差している都市は、一癖も二癖もある「マニアック」な街ということで、下北沢などが例としてあげられている。なかなかおもしろいなと思っていたけど、完全に直角に交わっている秋葉原駅界隈は、どちらかと言えばマニアックじゃないかなぁ…なんて思いつつ読み進める。最後あたりの章では、山手線を三重の環状線にしてしまえとか、東急大井町線二子玉川や京王井の頭線吉祥寺といった終端駅から延長せよ…といった、かなり独断的な話になってしまった。残念ながら期待通りの内容じゃなかった気がする。(2004/7/31)
【★★★★☆】 −04/07/31更新
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| 超高層ビルなんでも小事典-意外に知らないその素顔 |
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鹿島建設/編集
講談社 ブルーバックス
525円(税込)
サブタイトルにもあるように、意外と知らない超高層ビルについての情報をわかりやすく教えてくれる。「地震が多く地盤が緩いところで超高層ビルを建てることができるのはなぜか」「大きさの割に早く完成するのはなぜか」「建設中に使われた巨大なクレーンは工事終了後どうなるのか?」なんてことは、実は知っていたりするのだが、前からちょっと疑問だったことが言われて気付くネタがたくさんあった。そのうちのいくつかを紹介しよう。ちょっと古い本だけれど、ここに書けなかったことも含めて、今でも十分通用する話ばかり。おもしろかった。
- エレベータの数や配置の工夫
- 例えば、30〜40階建ての一般的なビルの場合、まずフロアを4つくらいに分け(これをバンクと呼ぶらしい)、それぞれにエレベータを6台くらい用意するのだそうだ。つまり1階(ロビー階)には、だいたい24台程度のエレベータが並ぶことになるが、これが100階建てだったらどうなるか?単純に考えると、12バンクは必要となって、ロビー階には、なんと70台以上のエレベータが並んでしまうことになる。なんのために超高層ビルを建てたのだかわからなくなる。そこで、30階建てのビルが3つ積み重ねるという考え方が編み出された。ビルの30階くらいのところにスカイロビーを設けて、それぞれをつなぐエレベータを用意するやり方だ。なるほどうまいこと考えるな…実際にこれが使われた例として挙げられていたのが、今はなきワールドトレードセンターだったのだけれど…
- 外壁掃除の理由
- 外壁掃除って見栄えだけなのかなと思っていたら、(もちろん見栄えという理由もあるが)外壁の材質によっては腐食するおそれがあるからなのだそうだ。また高さによって汚れが違うそうで、10階付近が一番汚れているらしい。
- 給水と排水の話
- ビルにはたいてい給水タンクがあるものだけれど、超高層ビルの場合はどうなっているか?もちろん一番上にあるもんだと思っていたが、もし本当に一番上だけに置いてあったらどうなるか?例えば150mの高さのあるビルの1階付近では、水圧150mの水が噴き出すことになる。普通の水道では10〜20mの水圧というのだから、そのすさまじさは想像に難くない。間違いなく事故になる…で、どうするかというと、なんてことはない、ビルの途中にいくつか給水タンクを設置するとのこと。ちなみに、排水は大丈夫らしい。最初は給水と同じようにものすごい勢いで落ちていくものと思われ、それを予防する排水管が作られたケースもあったらしいが、実際には、管の内側を水で満たされておらず、排水は管の内側をまとわりついて落ちていくため、2〜3階以上の高さがあっても、まったく問題ないらしい。
(2004/10/09) 【★★★★★】 −04/10/10更新
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| ペット・アーキテクチャー・ガイドブック |
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東京・首都圏未来地図 |
東京工業大学建築学科塚本研究室・アトリエ・ワン/著
ワールドフォトプレス
1,600円(税込)
街を歩いていると、よくこんなところに建物が建っているなぁ…と感心することがよくある。ほんのわずかな隙間に建つ建物は、小さくて狭いくせにやけに目立つのだからちょっと不思議。で、この本はそんな建物ばかりを集めた写真集。建物の形や奥の方はどうなっているんだろう…という疑問にも長さ入りの図面で答えてくれる(人間が入れないようなところの長さはどうやって測ったんだろう)。そんな建物ひとつひとつを見ていると、この建物を建てた人の思いが伝わってくるような気がする。この限られた敷地の中でどれだけのことができるのかという限界がわかる。
(2004/11/01) 【★★★★☆】 −04/11/14更新
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成美堂出版編集部/著
1,050円(税込)
いま東京では、巨大なプロジェクトがあちこちで進められていると聞くが、よほどその地域と何らかの関係がない限りは意外と知られず、完成直前になって初めて話題に挙がるということも少なくない。そうした現在進められているさまざまな巨大プロジェクトや再開発計画を片っ端から紹介する本で、遠くから見えていた建設中のあのビルは?…なんていう疑問が解消する。もちろん、新しい東京の姿を見るのも楽しみだけれど、かつてここがどんな様子だったのか?ということは、すでに工事が始まってしまえばもう知ることはできなくなる。本書は新しい東京の姿を紹介するのが目的なので、とにかく表の明るく、前向きな話でいっぱいだ。逆に、例えば第二東名高速や圏央道など、そのプロジェクト自体の抱える「裏の面」についても忘れちゃいけない。
(2005/1/31) 【★★★☆☆】 −05/02/20更新
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| 帝都東京・隠された地下網の秘密 |
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写真と地図で読む!帝都東京・地下の謎 |
秋庭俊/著
洋泉社
1,995円(税込) 「著者が事実と紹介しているつもりが、一般的に見るとかなり的外れである本」とか「著者が意図したものとは異なる視点から読んで楽しめるもの」ということを、「トンデモ本」というらしい。まさに本書に対して、多くの人がこの称号?を与えている。気になったのは、文章の拙さ。自分のことを棚にあげてあえて言うと、たとえば”大成建設”を紹介する部分が、77ページと127ページに二度も現れる。一瞬読み間違えたかと思うほど。本書は、現在の地下鉄が戦前に軍部によって作られたということを、著者の研究で明らかにしていくのだが、どうも肝心なところは、中堅ゼネコンで設計士をしている「中川」という人物に語らせているし、全体的に自分の主張を通したいがために、無理が重なっているように見える。着眼点や興味深い指摘も少なくないのに、かなりもったいない気がした。(2003.8.1)
(店長オススメ度: ★★☆☆☆ /2003/12/14更新) |
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秋庭俊/編集
洋泉社
1,050円(税込)
著者や出版社にとってこのようなムック形式の書籍は「一粒で二度美味しい」存在なのかなと思わせることがある。確か「帝都東京・隠された地下網の秘密」という本でも読んだような気がする記事が多く、あまり目新しい感じがしなかった。都市計画というものは最初から最後まで一貫していることなど、まずあり得ない話だ。完成に至るまでに多くの紆余曲折があるわけで、その結果が現在の姿である。その経緯についてはどの程度一般の人が知ることになるのかはよくわからないが、よほどのことがない限り、知らされることはない。だからこそ興味深い題材なのに、本書の中途半端なツッコミを読むと溜息が出る。「国民の目から隠されてきた闇に眠る謎を解き明かす!」という表紙の言葉とは裏腹に、著者の疑問を投げかけるにとどまっているのは、前著とあまり変わっていない。知られざる地下スポットとして紹介されている場所も、別に隠しているわけでもないような気がするし、自分の常識の範疇で謎を作っているような気がしてならない。とりあえず、一点だけ僕でもすぐわかる回答を挙げておく。「大江戸線が幅の広い線路を選んだ謎」…大江戸線は従来の鉄道と異なり車両自体に回転するモーターを持たず、レールとレールの間に置かれたコイルを使って走行する。つまり幅の広い線路はその間にコイルを置く必要があったからに他ならない。小さいトンネルとレールの幅は関係がない。もうちょっと鉄道に詳しい人に聞いてから書けば良かったのに。
(店長オススメ度: ★★☆☆☆ /2003/12/14更新) |
| 天使の引き出し 美術館に住む天使たち |
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東京再発見 |
視覚デザイン研究所・編集室/著
視覚デザイン研究所
1,838円(税込) 美術館の絵の中で見かける、何気なくいる天使たちに焦点を当てた興味深い一冊。いろいろ勉強になるし、次に美術館に行くのも楽しくなりそう。(2001/11/23)
(店長オススメ度: ★★★☆☆ /2002/03/31更新) |
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伊東孝/著
岩波書店
735円(税込)
街を歩いておりますと、たまに、えらい古い橋や建築物を見るってことありますね。その作られた背景がわかると、それらに愛着がわいてくるってもんです。隅田川にかかる橋はもちろん、東京近郊の明治時代から昭和初期にかけて作られた土木遺産をわかりやすい言葉で解説してくれます。街を見る目が変わってくるような気がします。(2001/12/14)
(店長オススメ度: ★★★★☆ /2003/08/02更新) |
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