楠原佑介/著
東京堂出版
2,310円(税込) さいたま市の区名決定のゴタゴタは記憶に新しい。いま日本中で市町村の合併が進み、あわせて新しく地名が誕生することも多いが、なんだか安易な名前の付け方が多いなぁと思っていた。さて本書では、日本中の地名について考察し、どのような地名がふさわしいのかを提案している。本来の別の場所の名前を借用したり、複数の地名を合成したりと、地名が安易に決められていく過程がよくわかる。新市名や区名が名付けられるときに、必ずと言っていいほど登場する「有識者」の多くはもともと地名に関しては素人であり、歴史的背景の考察が大切な地名を検討するには役不足という指摘には賛同したけど、「外国語地名の採用が新たな民族間抗争を生む」みたいに必要以上に大袈裟な指摘にはちょっと首を傾げてしまった。全体的には、新しい地名を考える上で、ぜひ参考にしてもらいたい一冊であることは間違いない。(2004.1.12)
(店長オススメ度: ★★★☆☆ /2004/01/12更新) |
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浅井建爾/著
日本実業出版社
1,575円(税込) 「マチ」は関東、「チョウ」は関西…。全国にある市町村のうち、「町」をどう読むかを調べた結果、関東以北では圧倒的に町を「マチ」と読み、中部から関西地方以西では、圧倒的に「チョウ」と読むらしい。旧国名では、「越前」「越中」「越後」とか、「筑前」「筑後」といった、前・中・後がつくケースが多いのは、かつて都が京都に置かれていたころ、京都から見た距離で名付けられたのだそうだ。「上越」「下越」も同じで、京都に近い方が上で、離れると下となる。今の鉄道の東京に向かう方が「上り」で、その逆が「下り」というのと同じ考え方である。東京に吉祥寺という駅があるが、なぜかその近辺には、肝心の?吉祥寺がない。これは、もともと神田駿河台にあった吉祥寺が大火で焼失してしまい別の場所に移転してしまったが、その付近の住民達は寺と同じ場所には移転できず、やむを得ず武蔵野の原野に移住して、その場所を「吉祥寺」と呼ばれるようになったとのこと…。なんと地名とは興味深いものか。(2002/8/28)
(店長オススメ度: ★★★★★ /2002/08/28更新) |