龍的思考回路 メニュー
はじめての方へ 定点観察…このサイトのメインページです 書店…これまでに読んだ本を紹介します 旅行…見たこと、感じたことをまとめてます 交通…鉄道を中心に交通関係の話題 建築…心に残る特徴的な建物を紹介 社会科見学…好奇心を満たされに出掛けよう ダミー…龍的思考回路のキャラクター いろいろ…その名の通り、いろいろ 地図索引…地図からこのサイトを検索 お問合わせ…何かありましたらお気軽に 鯉降渓谷鉄道…75cm×40cmのNゲージ鉄道模型 はじめての方へ 定点観察 書店 旅行 交通 建築 社会科見学 ダミー いろいろ お問合わせ 龍的思考回路

龍的書店

見出しへ 前のページにもどる

ノンフィクション


クジラを捕って、考えた

川端 裕人/著
徳間出版

620円(税込)
 
 僕自身の意見としては、捕鯨は、絶対反対というわけでも絶対賛成というわけでもでもない。おそらくは多くの人たちと変わらない程度の意見しか持ち合わせていない。ただ、議論の推移については以前から興味があった。捕鯨関係の本は、これで2冊目。調査捕鯨というものに興味を持った著者が、半年間南氷洋での調査捕鯨に同行し、ありのままの様子を描いている。実際に鯨が発見、捕獲、解体されるシーンは非常にリアルで、これまであまり見聞きしたことのない貴重な話だ。調査捕鯨では実際にどのようなことが行われているのかということが、とてもよくわかる。
 読み終えたところで、ではどうしたらいいかという明確な答えが出てくるわけではないけれど、何か落としどころというか、解決策のようなものがないだろうか…と真剣に考えたくなる。

(2005/12/30) 【★★★★☆】 −06/01/05更新


響きと怒り

佐野 真一/著
日本放送出版協会

1,680円(税込)
 
 「尼崎列車脱線転覆事故」、「十七歳連鎖殺人事件」、「雪印乳業食中毒事件」、「JCO臨界事故」、「阪神淡路大震災」、「ニューヨーク同時多発テロ」の6件の注目を集めた事件、事故を取り上げている。本書は、それらすべての現場を訪れたルポルタージュである。
 いずれも、さまざまなシーンで前例として取り上げられるであろう事件、事故ばかりだが、あまりに規模が大きすぎて、その現場にいた一般の人々の存在は往々にして忘れられがちだと思う。
 事件、事故に居合わせた人々の視点で物事を見ることを忘れてしまう。これこそが風化であって、なぜ起きたのか?そしてそこに居合わせた人たちはどうしたのか?ということを記憶にしっかりととどめておく必要はあるだろうなと読んでいて思った。

 「十七歳連鎖殺人事件」について取り上げている箇所で…

家とは反対側にある国道一号線沿いには最近開店したばかりのマンガ喫茶がポツンと一件だけ派手な原色看板を出している。日本の大動脈のほぼ中央部の真横にふくらんだその光景はね治療不能に陥った大動脈瘤をなぜか連想された。そしてその大動脈瘤が突然破裂し、鮮血が飛び散るイメージに、十七歳の少年による不条理な殺人事件が重なった。

 派手な原色看板と国道一号線を血管と大動脈瘤に見立てて、事件が起きたから破裂されて…みたいな表現はどうかなぁ…と。他にも、ゴミ袋が薄紅色だとか、少年の高校のグラウンドが赤レンガ色、名鉄が赤色だとか、地を連想させる土地だと…いくらなんでも、ちょっと考え過ぎじゃないかななんて思った。


(2005/11/5) 【★★★☆☆】 −05/11/05更新



男女七人ネット心中―マリアはなぜ死んだのか

渋井 哲也/著
新紀元社

1,470円(税込)
  インターネットを使って知り合った人たちが心中する、いわゆる「ネット心中」がたびたび報道されている。
 報道の中で「簡単に死を選んでいる」みたいな論調も見られることがある。確かに第三者から見れば「もっと考えて行動するべきだった」と思えてしまうだろうけれど、ネット心中を選択した彼らは、決して簡単に死を選んでなんかいない。
 本書では、ネット心中にかかわる、さまざまなケースを紹介しているが、いずれも当事者は相当悩み、苦しんでいる。このつらさは本人しかわからない。周囲は想像することしかできないから、これまた相当もどかしく悩むことになる。
 インターネットが悪いと決めつけるのは簡単だけど、それで解決するわけないなんて、まぁたいていの人は思うでしょう。本書でも触れられているけど、逆にインターネットで救われる人も少なくないわけで、そういった面も考慮されるべきだろう。
 この本を書くきっかけとなったネット心中において、交流のあった”マリア”の死を選んだ理由が最後までわからないと告白する著者の苦悩も感じ取れる。

 取材の中で、ネット心中をした人たちのほとんどが、精神医療を受けていたという。つまり周囲へのサインを出していたということであり、突発的に心中に至ったわけではないということだ。そうなると、ますます何とかしてあげられなかったかという思いに駆られてくる。

(2005/3/27) 【★★★☆☆】 −05/3/27更新



指紋は語る   発掘捏造
塚本宇兵/著

1,575円(税込)

数々の事件に「指紋」という切り口で挑んできたエピソードで綴られる興味深い一冊。知ってるようで知らない指紋のあれこれがわかりやすく書かれている。警察の世界では「指紋の神様」と呼ばれたらしい。そんな人でも、異動した当初は「鑑識なんてやってられねーよ」という気分だったというのだから、人生わからないもんである。(2003/7/21)

(店長オススメ度: ★★★★☆ /2003/07/21更新)
  毎日新聞旧石器遺跡取材班/著
毎日新聞
1,470円(税込)

考古学(特にわが国の旧石器時代の考察)とは、こうも脆い世界だったとは、この捏造事件が発覚するまで、多くの人が気づかなかったに違いない。そういう意味では捏造の果たした役割は大きい。ほぼ捏造は確実であっても、どのように取材を進めていけばよいのか苦悩する報道する側の葛藤も興味深い。でも、そういうプレッシャーがたたると、今度は報道する側が事件そのものを捏造しちゃったりするんだよね。報道する側、される側も、ぎりぎりのところにいるんだな。(2003/7/21)

(店長オススメ度: ★★★☆☆ /2003/07/21更新)


死刑執行の現場から   プロジェクトX挑戦者たち 5
戸谷 喜一/著
恒友出版
1,470円(税込)

刑務所の元看守長の立場で、死刑のあり方を考えている。著者は職務上現場に立ち会っているため、どうしても死刑囚側に立ってしまい、死刑制度廃止の立場を取っている。しかし、この本で語る部分ではないのかもしれないけれど、死刑囚がいったい何を犯して死刑という最高刑を科されたのかや、被害者の人権という部分にまで踏み込んで欲しかった。(2002/7/18)
(店長オススメ度: ★★★★★ /2003/03/30更新)
  NHKプロジェクトX制作班/編
日本放送出版協会
1,785円(税込)

 この手の、いわゆる”秘話”というものは、目新しくはないのだけど、情熱や使命感というものが、ここまで人を熱くして、夢の実現に結びつけるという”事実”は、本当に感動させられる。この巻では、あの伝説の「泣き虫先生」のいた、川浜高校・・・じゃない、伏見工業高校のラグビー部が登場する。朝の通勤電車で読んでいて、涙が出た。朝から泣くなよ。オレ。終点で他の乗客がいなくてよかった。あのドラマしか知らない僕は、はじめて実際の状況を知ったのだけど、あんなに”ドラマ仕立て”(不必要に人を殺しすぎ)にしなくても、こんなに素晴らしい話だったなんて。・・・もちろん、他の章も、他の巻も感動させられました。(2002/03/15)

(店長オススメ度: ★★★★★ /2002/10/06更新)


死体の涙   プロジェクトX挑戦者たち 14
上野正彦/著
主婦の友社
1,365円(税込)

上野正彦氏の本は、「死体は語る」を、以前古本屋で手にしたことがある。”死体”に、これほどクローズアップした人は、初めてだろうと思う。まだ、読み始めだけど、とても読みやすく、読むのが楽しみ。もう、★を4つあげちゃおう。(2002/01/05)

(店長オススメ度: ★★★★☆ /2002/01/07更新)
  NHKプロジェクトX制作班/編
日本放送出版協会
1,785円(税込)

 人の死が、その後のプロジェクトに大きく影響しているエピソードが多いのが、この巻の特徴かもしれない。ドラマにしやすそうな話満載。。(2003/01/12)

(店長オススメ度: ★★★☆☆ /2003/01/12更新)


真相はこれだ!   誤報―新聞報道の死角
祝 康成/著
新潮社
1,470円(税込)
タイトルは、どうも週刊誌ぽくて(事実週刊誌の連載だったが)、軟派な感じは否めなかったのだけど、読んでみると、本当に真相に近いだろうなと思わせるような事件の背景が浮き彫りになっていて、つい引き込まれてしまった。「3億円事件の誤認逮捕」をはじめ、「日本初の心臓移植における医師の暴走」など、いまでは考えられないようなような事件の数々。こういった事件でどれもどこか共通していると感じたのは、この事件の最中は、みな冷静さを失っているということだった。冷静さを失ったために、たくさん命が失われてしまったケースもある。特におかしいしいと感じたのは、「丸山ワクチン潰し」のケース。開発した皮膚科の無名な医者が、想像を絶する権威主義と薬品メーカーを巻き込んだ利権争いに巻き込まれた結果だったということだった。そして、いまだに認可されず、異常な状態が続いている。終わっていないのだ。(2003/11/28)

(店長オススメ度: ★★★★☆ /2003/11/28更新)
  後藤 文康/著
岩波書店
693円(税込)
 これまでに起こったさまざまな新聞における誤報をたどりながら、その原因となる背景や問題点を探る。きっかけは、本当に些細なことであったり、功名心が生むものもある。原因が特定できれば、もう安心か?というと、そうではなく、理由が理由だけにそう簡単になくなるもんじゃないなと思う分、むしろ不安が大きくなってくる。
 誰もが誤報の被害者になりうることがわかり、ちょっと恐ろしい気がした。(2003/6/1) 【★★★☆☆】 −04/04/04更新


奪還―引き裂かれた二十四年   交通事故のミステリー
蓮池 透/著
新潮社

1,365円(税込)
 2002年10月15日。北朝鮮拉致被害者が帰国した記念すべき日。この日を迎えるまでの戦いと苦悩を拉致被害者家族の立場で赤裸々に語った本。以前、著者の考え方や発言がちょっと強硬すぎるんじゃないかと思ったこともあったが、彼らの境遇を考えたらそう思って当然だと、この本を読んで改めて思った。もし家族が北朝鮮に拉致されることがなかったら、まったく違った人生を歩むことになるわけだし、彼らだって、当然、好きでこんな活動をしている訳じゃない。ごくごく普通に生活してきた人が、ある日突然、何の手がかりもなく姿を消してしまうのだ。そして国内で多数起きている失踪事件のひとつとして、徐々に人々の記憶からも消え去っていく。家族は必死に手がかりを探そうと走り回る。そして、家族の帰国…つまり奪還までの道のりは、無理解との戦いだったようだ。それだけならまだしも、協力しようと見せかけて、結果的にこの問題を利用しようとする者まで現れるのだから、その苦労は察してあまりある。2004年5月、拉致被害者のこどもたちが日本にやってきた。もちろんこれだけでこの問題が終わったわけではない。さらに大勢の拉致被害に遭っていると思われる人たちの調査が終わっていないのだ。まさにこの問題は続いている。こうした拉致被害者とその家族の叫びを、もっと政治家、役人、そして国民が考えていくべきだと思う。 (2004/5/28) 【★★★★☆】 −04/05/28更新
  江守一郎/著
朝日新聞社
588円(税込)
 700件近い交通事故の鑑定を行ってきた第一人者のドキュメンタリー。事件に関係した人のほんのわずかなきっかけから、現場に残された証拠を元に、次々と真実が明らかになっていく。物理的な見地からの考察などもあるので、若干難しい部分もあるけれど、丁寧に書かれているので、この手の本にしてはわかりやすい。ただ、あまりにあり得そうな事故の数々に、改めて交通事故は気をつけようと思った。また、本当にここに紹介されているような事件は実は氷山の一角で、多くの事故は見過ごされているのではないかと不安になってくる。現在は文庫本となっているようで、実際に図書館から借りて読んだのは単行本でこちらはおそらく絶版。読み始めたのが返却期限が過ぎていたときだったので、あわてて読まざるをえなかったのが悔やまれる。(2004/5/8) 【★★★☆☆】 −04/05/08更新


イラクの中心で、バカとさけぶ   ドキュメント気象遭難
橋田 信介/著
アスコム
1,575円(税込)
 2004年5月イラクで日本人フリージャーナリストの橋田信介さんと小川功太郎さんが亡くなったことは記憶に新しい。ということで、さっそく橋田信介さんの遺作となった図書館に予約を入れたのは6月のことだ。それから待つこと2ヶ月余り。図書館から連絡があったその週末に借りてきて、一気に読んだ。命を張って取材している割には、当の本人は至って気楽なもので(本を読む限りでは)、今回命を落とした結果は残念ではあるけれど、それはそれで仕方がない…ときっと本人は思っているのだろうなと思えた。戦争について大上段に構えるのではなく、現場で取材したありのままの事実を伝える…当たり前のことを当たり前にやってきただけ…という調子で書かれた本書は、生きるか死ぬかというギリギリの話の連続なのに、それを感じさせない文体で、気軽に一気に読めてしまった。それでも、いくつかは、いろいろ考えさせられるところもあった。そのうち、いくつか挙げてみると…
「農耕社会ではヨソモノに対して都合が悪い情報は隠す。問いつめると『沈黙』する。遊牧民族でも同じように隠すが、問いつめると『ウソ』を教える。どちらが良い悪いではなく、すでにそれは習性となっている(p65)−。
「『戦場』を語っているだけで『戦争』を語っているのではない。戦場を反対することはバカでもできる。戦争を反対することこそが政治を語ることにつきる。(p266)」
「生き抜くために全力をあげる。戦争国家では、命はかけがえのないものとして大切にされる。平和な社会で生きる日本人は、ヒマだから精神の均衡を失って自殺したり、面白半分に人を殺したりする。平和国家では逆に命は軽んじられている。(p270)」
(2004/7/31) 【★★★★☆】 −04/07/31更新
  羽根田 治/著
山と渓谷社
1,680円(税込)
 気象の変化による山岳遭難事故7件の例を挙げ、その背景を探っている。事故のひとつひとつを見ていくと、あのときこうしていれば…という事実が数々と出てくる。そしてその多くが、遭難事故を予感させる前兆現象がわかっていながら、早めに決断できなかったばかりに、命を失うという大きな事故になっていっている。「勇気ある撤退」口で言うのは簡単だが、それがいかに難しいかが、この本を読んでいてよくわかる。それは山の初心者であろうと、ベテランであろうと共通の難しさのようだ。本書でも触れられているが、遭難現場で亡くなっている、もしくは死線をさまよっている人がいるのに、「力になれないから」とか「救助隊に任せた方がいい」と言って、その場を通り過ぎてしまう登山者たちが少なからず存在するという事実は、ちょっとショックだった。極限状態だと人間の本当の姿が浮き彫りになる…勇気ある撤退とともに考えさせられる話だ。
(2004/8/31) 【★★★★☆】 −04/09/05更新


検証9・11とハイジャック・テロ―機内の真実   金かえせ!
青木 謙知/著
広済堂出版

1,365円(税込)
 170ページ近くある本書の中で、同時多発テロに関する話は10〜41ページにとどまっており、タイトルの検証という部分に期待するとちょっと物足りなさを感じる。航空評論家らしくさまざまな空港施設を利用していることから、テロ以降の各空港の検査体制を身をもって体験しているレポートを見ると、同じ「空港」という施設であっても国や地域によってその体制が結構まちまちであることがわかる。さらに、これまでに発生したさまざまなハイジャックの実例を挙げ、それを受けて最終章ではどうすればハイジャックが防げるかという課題に挑んでいる。いくつかの提案が載っているものの、(本書にも書かれているけど)どれも決定打に欠ける。最終的にはハイジャックに合わないことを祈る…みたいなオチなので、ちょっと尻すぼみといった感は拭えない。
(2004/10/09) 【★★★☆☆】 −04/10/10更新
  中島 慎一/著
宝島社

1,470円(税込)
 ネットオークション詐欺との戦いの記録。
 パソコン通信時代からネット売買の経験があるけれど、これまで幸いなことにこういった詐欺に出会わずに済んでいる。
 こうしてたくさんの事例を見ると、他人事じゃない詐欺の実態がわかる。そしてその手口は、想像をはるかに超えていることに改めて驚かされる。提供する商品なんて持ち合わせていないのに架空出品し、オークションで得たお金で別の落札者のための商品購入や自身の借金返済などに充てるという、まさに破綻に向かって走る”自転車操業師”とか、犯人と疑われても平気でウソをつきまくっていく者(しかも家族ぐるみで)、すでに死亡している名義人の口座を浸かってみるなど、よくここまでできるな…と逆に感心してしまうくらい。
 ネットオークションを必要以上に怖がりすぎる必要はないと思うけど、注意を払うことに越したことはない。オークションの初心者はもちろん、回数を重ねつつある中級者にも是非読んでもらいたい。

(2005/3/27) 【★★★☆☆】 −05/3/27更新