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文学・評論


博士の愛した数式

小川 洋子/著
新潮社

460円(税込)
 
 もともと高校は理数科だったのに、自分の行けそうな大学があまりないと見るや、一転して文系の勉強しかしなくなった僕にとっては、“数式”とか“数学”と聞くと、ちょっと身を構えてしまう癖がある。いま、まさにベストセラーとなって、映画化もされたこの本をふーさんに貸してもらうまでは、やはり取っ付きにくく、自分から読もうとはしなかっただろう。

多少数学の知識があった方が理解は深まると思うが、この本を読むにはそんな知識はいらない。肩肘張らずにどんどん読める。

相手に対して、何かの見返りを求めるようなことは決してなく、それぞれがそれぞれを畏敬の念を持って敬い、尊重している様子が感じられる。つい相手を大事に思う気持ちを忘れ、相手に何かを期待したり、求めたりしてしまうものではないか。この物語では、そうした場面はひとつも出てこないように思う。

こういう関係になることは、とても難しいはずで、ちょっと羨ましくも思った。

家政婦さん、家政婦さんの息子、そして博士の何とも不思議な関係は、相手に対する深い尊敬と優しさに満ちているのだけれど、博士の80分間しか記憶できないという制約が、このような絶妙な関係を生んだとすると、ちょっと複雑な気もしてしまう。

(2006/2/5) 【★★★★★】 −06/02/05更新


あらしのよるに〈1〉

きむら ゆういち/著
講談社

500円(税込)
 
 こんなにドキドキする絵本を見たのは初めてかもしれない。
 嵐の夜、オオカミとヤギが雨宿りした小屋に居合わせてしまったことから始まったなんとも不思議な物語。真っ暗な小屋の中で、お互いを仲間と誤解してしまう。まさか食うか食われるかの関係だとは、本人?たちも気付かなかったのだ。特殊な環境下に置かれたことで、ありえない友情が生まれたのだ。ただし、これは“特殊な関係”であり、常に微妙な危うさが漂う。そんな危うさが、ページをめくる手に力が入ってくるのかもしれない。
 すでに絵本でずっと前から発表されていた作品らしいが、映画化されたことによってさらに有名になったらしい。続編がとても気になる。
 傍から見たらとても危うい関係なのに、本人達はいたって平気。でも、本人達だって実はお互い微妙に気を遣っている…実際の世界でも似たようなことはある。心当たりありませんか?

(2006/1/5) 【★★★★★】 −06/01/05更新


夜のピクニック

恩田 陸/著
新潮社

1,680円(税込)
 
 夜通しただ歩き続ける「歩行祭」という高校行事の、わずか1日の出来事だけを追った小説。これだけを書くと何とも味気ないけれど、わずか1日の出来事を通して、生き生きとした高校生たちの様子、心情が垣間見える。著者の表現豊かさにはびっくりする。著者はいくつくらいなんだう…と思ったら、もう40を越えているというのだから感性が若いというのか豊かなのか…奇をてらった表現は何もないのに、気持ちが伝わってくるようだ。

 当日までは、歩きとおせるだろうかと不安にうじうじしてるんだけど、始まってしまえばあっというまで、心に残るのは記憶の上澄みだけ。終わってしまってからようやく、さまざまな場面の断片が少しずつ記憶の定位置に収まっていき、歩行祭全体の印象が定まるのはずっと先のことなのだ。

 うんうん。と思わせるような場面が次々と現れる。たったひとつの高校行事だけを追った話だから、そんなに大きな事件が起きるわけでもないのだけれど、話にどんどん引き込まれていく感じがした。
そんな場面を見ていると、できることならばまた、中学生とか高校生に戻ってみたいなぁ…なんて思った。あれだけ早く大人になってしまいたいと思っていたのに、大人になってみると、あまりになんてことなかった…


(2005/11/5) 【★★★★★】 −05/11/05更新


廃用身

久坂部 羊/著
幻冬社

1,680円(税込)
 タイトルからして、何か深い闇がありそうな気がしてくる。「廃用身」とは、脳梗塞などの麻痺で自由がきかなくなり、リハビリしても回復できない手足のことを指す医学用語なのだそうだ。本の表紙を開くと、漆原糾という医師が「廃用身」という本を書いたという前提で話が進んでいく。まずはこの漆原糾氏が書いた「廃用身」という本を読むことになる。そしてさらに、この漆原糾氏に出版を勧めた矢倉俊太郎氏による、編集部註が続く。あたかもノンフィクションを読んでいるかのような錯覚だ。細かいところまでできていて、著者漆原糾・矢倉俊太郎という奥付も用意されている。介護の現場を考えたとき、廃用身の存在が非常に重荷であってそれを取り去ることが結果的にプラスに働くという著者漆原糾の意見と、現状から目を背け興味本位の報道ばかり目立つマスコミの伝え方、そしてなにより介護を要する人たち…本を読み進めていくと、それぞれの立場から「廃用身切断」という行為を見ていくことになり、そのたびに自分の考えも揺り動かされてしまいそうになる。衝撃のクライマックスまで一気に読んでしまった。あくまでもフィクションなのに、”現実の問題”として考えさせられる本書は、みんなに薦められるわけではないけれど、できるだけ多くの人に読んでもらいたい。
(2005/2/1) 【★★★★★】 −05/2/20更新


破裂

久坂部 羊/著
幻冬社

1,890円(税込)
  現役の医師が医療の抱える問題点を中心に描いている小説ということもあって、リアリティがあり話に引き込まれる。いまの自分もそうだけれど、とかく自分がまだ(比較的)若くて、病院にもあまりお世話になることもなく、また身近に高齢者がいないということあって、あまり現実的に考えることができないから、こうした本であらためて現実を突きつけられると、否応なしに考えさせられる。
 医療過誤、超高齢化社会、介護問題、官僚主導政治などなど、あらゆる重要な問題を取り上げている。

 …超高齢化社会を迎えた日本は、本当に高齢者を支えていくことができるのだろうか?
 …医療技術が進んで、寿命も延びてきたけれど、本当にそれだけが幸せなことなのだろうか?
 
 この問いに対して、本書の中で衝撃的な回答が出てくる。その回答に対して、全面的に賛成する気はないけれど、それを上回る答えを思い出せないのは、ちょっと悔しい。
  医師の立場について描かれた記述の中で、印象に残った部分を引用すると…

…医療にはあらゆる不確定要素がつきまとう。命を失う罪は重い。しかし、命を救ったとき、同じだけの評価があるのか。命の賠償金が5千万円なら、救命の報償も同じにしてほしい。かけがえのない命を救ったのだから…

…患者は医師に不眠不休の働きを求め、理想ばかり押しつける。医師は命を救うものと決めつけ、それを当たり前のように言う。気楽な理想主義者どもに、現場の苦労がどれだけわかるか…


 たくさんの医師がもしかするとこのような葛藤をしているのかもしれない。
 改善の糸口は全く見えてない。それどころか悪化の一途をたどっている。よく考えていくと、かなり深刻なのに、自分も含めてあまり考えようとしない気がする。考えても解決しないのだから、何にもしないわけだ。
 題材や切り口がこれまでにない感じで、とても興味深く読んだのだけれど、どこか「白い巨塔」そっくりな部分が出てきたり、エンディングがかなり強引な感じがしたり、前作の「廃用身」と比べると、ちょっと物足りなさを感じてしまった。
(2005/5/1) 【★★★☆☆】 −05/5/1更新


恋の歌 歌を読む詩集あゆとサザンで学ぶ詩の世界

根本 浩/著
金の星社

1,575円(税込)
  最近の曲は、どうも歌詞がよくわからない…なんて思うのは偏見かもしれない。この本は、比較的最近の曲の中から、恋愛に関する曲をピックアップ。歌詞自体を賞できるよう大きな文字で歌詞を示し、それぞれに懇切丁寧な解説がつく。学校での教育現場に使えるようにとの配慮から、それぞれの解説の後に、練習問題がついている。
 曲は知っていても、なかなか歌詞をじっくり読む機会がないから、とても新鮮に見える。それ以上に、タイトルや歌う人の名前は知っていても、曲が思い出せないのがたくさんあって悔しい。歳を取ったんだなと思わずにはいられない。でも、ほんとに最近の曲ばかりだから、学校教材としてぜひ使ってみて欲しい。いい勉強になる一冊。
 ちなみに「あゆとサザンで学ぶ詩の世界」というサブタイトルが付いているが、彼らの歌はそれぞれ一曲だけで、誤解のないように。

収録されているタイトル
First Love(宇多田ヒカル)、瞳をとじて(平井堅)、花(ORANGE RANGE)、いとしい人(CHAMISTRY)、かたちあるもの(柴咲コウ)、BELOVED(GLAY)、Automatic(宇多田ヒカル)、桜坂(福山雅治)、幸せをありがとう(ケツメイシ)、カブトムシ(aiko)、HOWEVER (GLAY)、I LOVE YOU(尾崎豊)、Love days after tomorrow(倉木麻衣 Everything(MISIA DEPARTURES(globe Rhapsody in Blue(DA PUMP ロビンソン(スピッツ)、LOVE LOVE LOVE(Dream Come True)、いとしのエリー(サザンオールスターズ)、LOVE2000(hitomi)、ビューティフルディズ(175R)、アゲハ蝶(ポルノグラフティ)、涙そうそう(夏川りみ)、雪の華(中島美嘉)、ハナミズキ(一青窈)

(2005/5/1) 【★★★☆☆】 −05/5/1更新


物はいいよう

斎藤 美奈子/著
平凡社

1,680円(税込)
 「フェミ・コード」(=FC)とは、フェミニズム的に問題があるような場合に「それってFC的にどうよ」みたいにして使う言葉らしい。単刀直入に「セクハラ」という代わりの言葉として、著者が考えた言葉なのかな?
 日常生活の中で、個人的にはあまりセクハラ(=FC)かどうか?なんてあまり考えたことがなかった。本書によると、結構微妙な部分で問題になる場合が多いことに驚く。解説してもらえれば「なるほどね」となるが、そうでない限りは、言う方も聞く方もあまり意識しないで済んでしまうことも多いのではないだろうか?それだけに、根が深い問題なのかもしれない。まぁ、明らかにおかしな事を言う政治家や著名人は少なくないけど。

 FC的にあまり関係のない部分ではあるが、以前から自分も気になっていた話が載っていたので、それだけで嬉しくなってしまった。
 「日本では」「西洋では」と、やたら「ではではでは」を連発する人を「出羽(でわ)の守」と呼ぶらしい(知らないけど)が、そのおばさん版を著者は「出羽おば」と命名。そんな出羽おばの特徴として…

 第一に、結婚相手が欧米人であること。
 第二に「カタカナ+漢字」の名前を名乗ること。
 第三に、結婚相手の国生活拠点にし、そちら龍の生活になじんでいること。

 以上の三つの条件をクリアした上で、「日本では」「××(←夫の国名)では」を連発しつつ「遅れた日本人」を啓蒙する本を書けば、晴れて?出羽おばの有資格者となるわけだ。
 以前、マークス寿子という人が書いた本を読んでかなり不快な思いをしたが、その本からの引用で…

 日本の女性は夫や子供の地位があがれば自分も偉くなると思うところがあり、これが日本の女性の意識を古いままにしている大きな要因

 離婚してるのに別れた夫の名前(地位)を利用しているのでは?という著者の指摘は、まさにもっともな話である。

 そもそも、ジェンダーフリー(和製英語なのね)の話題になると、とかく「男女差を認めないのはおかしい」という議論になりがちだが、著者に言わせると…色鉛筆に例えるならば、もともと12色ある色鉛筆を強制的に赤と青の二色に分けるというのではなく「赤と青の二色に分類する前に個人差を尊重しろ」つまり「12色は12色のまま認めよ」というのだ。主張ははっきりしているけれど、いざ実践しようとするとなかなか難しそうだ。これまであまり意識してこなかった分野にちょっと関心が持てた。

(2005/5/1) 【★★★☆☆】 −05/5/1更新



東京遺跡   ようこそ地球さん
石津昌嗣/著
メディアファクトリー
2,520円(税込)

写真集っぽいです。これは週刊SPA!に1999年から2000年まで連載されていたものらしい。どこかで見たことがあるような気がするのは、そのせいかもしれない。たまにこの雑誌を立ち読みしたとき、読んだかも。写真とそのタイトルの付け方がニクイ。ぼくの理想とする姿に近いので、ある意味悔しい。また写真と解説の間の、短編小説もなかなか読ませるし、ほんとにあっという間に読み終えてしまった。なかかないい本だった。(2002/4/22) 

(店長オススメ度: ★★★★★ /2002/07/18更新)
  星新一/著
新潮社
580円(税込)

高校時代、一番最初に読んだ、ショートショートがこれでした。あまりにもおもしろいので、これ以降、彼のすべての単行本を買ってしまうのでした。

(店長オススメ度: ★★★★☆ /2001/07/03更新)


ご依頼の件   星の王子さま
星新一/著
新潮社
540円(税込)

今朝、たまたま、この「ご依頼の件」を持って出社しました。うちの本棚にあったのを思い出したように取り出してきたんです。奇遇ですね。今日が、星新一の誕生日(9月6日)。関係ないけど、新潮文庫は、しおりになる”紐”がついてるので、ショートショートを読むには、ちょうどいいんですよねぇ。
(店長オススメ度: ★★★☆☆ /2001/09/06更新)
  サン=テグジュペリ/著
内藤濯/訳
岩波書店
672円(税込)

 「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじなことは、目に見えないんだよ」 まさにこの本で一番言いたいこと(読書感想文でこれに触れないと減点対象かも)なんですが、わかっちゃいるけど、とても難しいですね。実は、この言葉ですら、すごく大事なことなのに、目に見えないものだから、肝心なことだとはわかりにくい・・・ありゃりゃ、パラドクスですな。目に見える方がわかりやすいから、つい、そっちに目を向けてしまうものです。忙しいからと、目に見えることだけで判断しがち・・・ほんと、わかっちゃいるんですけどね。でも一方、見た目も大事だったりすることもあったりするから、ますますややこしい・・・あぁどうしたもんでしょうね。

(店長オススメ度: ★★★★★ /2001/09/08更新)


鉄塔 武蔵野線   気まずい二人
銀林みのる/著
新潮社
500円(税込)

てらをが久しぶりに思い出させてくれた。買ったのは3年くらい前。最初、JR武蔵野線のことかと思った。細かい描写が僕の小学生の頃の夏休みを鮮やかに思い出させてくれた一冊。またあのころに戻って、思いっきり遊んでみたい・・・。それにしても、鉄塔って見れば見るほど、興味深い存在だよなぁ。僕もたまたま?鉄塔が好きだったので、つい感情移入したのかも知れない。(2001.09.08)

(店長オススメ度: ★★★★☆ /2001/09/08更新)
  三谷幸喜/著
角川書店
1,260円(税込)

著者の三谷幸喜は、頭がいいと思う。決して”ねらって”いるわけではないと彼は言うが、彼は、自分の性格を熟知しているし、そんな彼に対して相手がどう出てくるかとか、知ってて話をしているんだろうな。彼と対面したゲストが気の毒にも思える。けど、とてもおもしろい本でした。はい。。(2001/09/08)

(店長オススメ度: ★★★★☆ /2002/01/05更新)


何様のつもり   ホーローの旅
ナンシー関/著
角川文庫
504円(税込)
これまた妹からもらった(借りた?)本。もう内容は古くなってしまったけど、今でも十分楽しめる。消しゴム版画の上手さもさることながら、著者の目の付け所には、本当に脱帽。なぜかうちのトイレに常備してます。。(2001/06/14)お亡くなりになってしまったのは、本当に残念でなりません。(2002/7/18) 

(店長オススメ度: ★★★★★ /2003/05/31更新)
  泉麻人/著 町田忍/著
幻冬舎
1,470円(税込)
大村崑の「元気ハツラツ!オロナミンC」のホウロウ看板は、その数をどんどん減らしているけれども、その存在感たるや、いまでも人々の心の中にしっかり残っている…と言っても過言ではないほどのインパクトがある。そんなホウロウ看板を徹底的に追い続けたドキュメント。大村崑のホウロウ看板誕生秘話や、実際にホウロウ看板を作った人、それを取り付けに行った人たちの実際の声がまとめられており、単なるマニア本の枠を超えた「ホウロウ看板文化論」として、ホウロウ看板ファンのバイブルになることは間違いない!?(2004/4/18) 【★★★★☆】 −04/04/18更新

そして世界は狂いはじめた   エンパイア・ステート・ビル解体
古館伊知郎/著
新潮社
1,365円(税込)
「ニュースステーション」終了の後を受けて、古館伊知郎の「報道ステーション」が始まった。彼のしゃべりは決して嫌いじゃないし、番組自体も期待している。彼がどんなことを書いているのかと興味を持って、読んでみたのだけれど…「外務省をCNNに委託して民営化しろ」とか、「情報過多の世の中だと嘆くのならば、いっそのこと月一回『モザイクの日』をもうけてはどうか」とか「広末涼子が早稲田大学に入っただけで騒がれるのならば、堀越学園を早稲田大学堀越校舎とすれば、興味の対象にならなくなる」とか「どうせ使わない床下収納を亡くなったご先祖様の骨を埋葬すればスペースの有効利用と供養も兼ねられる」というような、話に前提があるにせよ、”極論”でまとめてしまう話が多くて、ちょっとつまらなかった。しゃべりと書き物とは違うのかもしれないけれど、期待していただけに残念だった。(2004/4/18) 【★★☆☆☆】 −04/04/18更新
  デビッド・マコーレイ/著
中江 昌彦/訳
河出書房新社

2,100円(税込)
 リアド国の皇太子が、大リアド石油連盟の新しい本部ビルとして、エンパイア・ステート・ビルを買い取り、アラビアの砂漠に移築しようという話。跡地にはエンパイア・ステート・ビルのてっぺんにあった飛行船用の塔をモニュメントとして残して残る土地は公園として無償提供するとともに、地下には新しいメトロポリタン美術館の別館を設けるとか、バスやタクシーに対しては石油を無償提供しましょうなんていう気前のいい皇太子の話に、なんとかこの無謀な計画を阻止しようとしたニューヨーク市民たちも、さすがに心が揺らぎ、結局は解体されてしまう。そして解体の過程を克明に追っていく…という、ちょっと変わった絵本。そして衝撃的な結末へ。アメリカを象徴するビルがなくなるという点では、アメリカの同時多発テロに通じるものがある。もちろんこちらの方が全く健全ではあるけれど。
冒頭の以下のコメントは意味深だ。
  失ってみて
  はじめて
  その大切さに気づく
  人たちへ

(2004/11/01) 【★★★★☆】 −04/11/14更新

遺書  
松本 人志/著
朝日新聞社

1,020円(税込)
   あまり芸能人の書いた本は読まないのだけれど、たまたま図書館の「今日返却のあった本」というコーナーで見かけたので、借りて読んでみた。
 正直、内容的にはこれがベストセラーになるとは思えないのだけれど、いかに読者が、著者の「松本人志」へ関心が高かったかということを裏付ける事象だと思う。日記というか、今で言うところのブログというか、松本人志の本音をありのまま書かれた感じ。本文中でも実際に自分ひとりで考えて書いていると言っている。テレビで見せる彼の性格を思い出しながら読むと、はぁなるほどなと思うところがあって、おもしろい。ちょっと偏見や考え方に疑問を持ってしまう部分もあるけれど、彼の日記だと思えば、気にならない。

(2005/5/1) 【★★★☆☆】 −05/5/1更新