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龍的思考回路/定点観察

2011年9月19日(月曜日)

3988 似てる…

芸術・デザイン  — ろん

日本の戦略産業分野である文化産業を海外に売り込む「クールジャパン」戦略。

先日、これを推進するためのロゴマークが発表された。

まぁ、わかりやすくていいんじゃない?

躍動感のある日の丸が、前に進む感じでしょう?

このロゴを考案したのは、佐藤可士和氏だそうだ。

彼の作品は、楽天とか、国立新美術館、ユニクロとか…あんまりヒネリのない“直球勝負”?みたいなデザインが多い気がする。

とか

とか

正直言うと、個人的には、あまり好きなデザインではない。

それでも、今回のは、まぁまぁかなぁ…なんて、偉そうに考えつつ、どこかで見たことがあるな…という気がしてならなかった。

それがなんなのか、思いつかずにいたら、JOCのエンブレムにそっくりというこんなニュース(Web魚拓によるキャッシュ)が…

ところがロゴを発表した13日以降、同事務局に「JOCのエンブレムに酷似している」との指摘が寄せられた。似ているとされたのはコシノジュンコさんがデザインしたもので、JOCは対策を協議するという。

やはり…。似たのがあったんだ。

これ。

たしかに似ている。ロゴの紹介ページを見ると…

1993年、コシノジュンコ氏により「対極」というコンセプトの基にデザインされたものです。

並べると、より…

専門家によれば問題ない…ということらしいが、どうもなぁ…

2011年9月10日(土曜日)

3979 「あこがれのヴェネチアン・グラス」展

博物館・展覧会 芸術・デザイン  — ろん

久しぶりに、東京ミッドタウンに行ってきた。

サントリー美術館で開催されている「あこがれのヴェネチアン・グラス」展を鑑賞するためだ。

ヴェネチアン・グラス…と聞いて、思い出せる情報は…正直何もない。

せいぜい、イタリアのヴェネチアに由来することくらいしかわからない。

で、ちょっと予習していった。

ヴェネチアン・グラスは、古代ローマ時代に起源を発するといわれているが、正確なところはわかっていないらしい。

かつてガラス製品が珍重された時代、輸出で莫大な利益を得ていたヴェネツィア共和国は、技術が国外に流出しないよう、強力な保護政策を取る。

火事を防ぐという名目で、ヴェネチア本島の隣のムラーノ島に、グラス工房や職人、家族を強制移住させる。島外に脱出する者は死罪というくらいの厳しさだった。

島に閉じ込められた職人たちは切磋琢磨し、後世に残るすばらしい作品を生み出す一方、それでも島から逃げ出した職人たちがヨーロッパの各地に散らばり、そこでもさまざまな作品を作り出していったという。

開館からまだ1時間ほどしか経ってないのに、館内は混雑していた。

鉛を含まないソーダ石灰を使用しているのが、ヴェネチアングラス特徴ということらしいが、見た感じだとよくわからない。また、高い装飾性も特徴ということだったが、今回展示されていた作品は、僕が勝手にイメージしていたような、コテコテした装飾ではなく、精錬された感じだった。

興味深いと思ったのは、ムラーノから流出した技術に新たな改良が加えられていったのが垣間見えたということだった。

17世紀、ドイツで作られた、「ダイヤモンドポイント彫りレーマー」は、ダイヤモンドを使ってグラスに装飾を施し、さらに、持ち手のところには、ラズベリーの装飾を施し、滑り止めを兼ねることで、実用性も持たせていたようだ。

また、17世紀末から18世紀頃、ドイツで作られたとされる、鹿形パズル・ゴブレットは、酒宴での余興用のゴブレットだそうで、そのまま呑もうとすると、ガラスでできた鹿が邪魔での呑めないが、台座近くにある小さな穴をふさぐと、あら不思議…サイフォンの原理で、ワインが中央の管を上って、鹿の口から飲めるという。

展示は、ユーラシア大陸を越えて、はるばる日本までやってきたヴェネチアン・グラスも展示している。

江戸時代に作られた、藍色ちろりは、取っ手の捻り方や、口の伸ばし方は、明らかにずっと見てきたヴェネチアン・グラスそっくりだった。

まったく、門外漢の分野だったが、ヴェネチアン・グラスの歴史をたどることで、いろいろと興味深い世界を知ることができて楽しかった。

2011年10月10日まで開催。

2011年9月02日(金曜日)

日本ブランドが世界を巡る/渡部 千春

芸術・デザイン 龍的書店  — ろん

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2011年7月29日(金曜日)

3942 札幌芸術の森野外美術館

芸術・デザイン  — ろん

札幌市郊外の「札幌芸術の森」にやってきた。

そのなかの、野外美術館を見学。

65作家74点の作品が屋外に常設展示されている。

森の傾斜地に作品が散らばっている。

セミの鳴き声で賑やかな木々の中を歩いていると、一昨年行った新潟の旅を思い出した。

暑いけれど、湿度か低いせいが、蒸し暑さは感じない。

これまで見てきたすべての作品は、触れることもできたが、唯一「柵に入らないでください」と書かれた作品があった。

解説によれば、作者が「風雪という名の鑿」と呼ぶさまざまな自然の作用によって、作品が変化していくことを望んだという。

そのため、美術館では作品に手を加えることを極力避け、自然のまま変わりゆく姿を見てもらおうということらしい。

で、実際に、2010年8月6日朝に南側の1本が倒壊、さらに2011年7月4日には、さらに1本が倒壊しているのが発見されたという。

2本目の倒壊から、まだ1ヶ月ほどのようだ。

最終的には、木が土に還っていくまで公開を続けるという。

いつか、またこの作品を見る機会はくるだろうか?そのときは、そんな姿になっているだろう?

2011年7月29日(金曜日)

3943 モエレ沼公園

芸術・デザイン  — ろん

札幌市郊外のモエレ沼公園にやってきた。市の中心部から30分くらい。

彫刻家イサム・ノグチの設計によるモエレ沼公園は、もともとゴミの最終処分場だったところを、公園として整備したのだそうだ。

すべてがユニークで、ただの公園なのに、ここにいるだけで、ちょっとした非日常経験ができる感じがする。

こんな施設が、入場無料なのも嬉しい。

ガラスのピラミッドや、標高62mの人工の山、モエレ山など、三角形が印象的。

子供向けの遊具なども、イサム/ノグチがデザインしたそうだ。

とにかく、天気がよかったのは、ありがたい限り。

プレイマウンテンという山には1本の道が通っている。

まるで空に向かう滑走路のような風景。

30mあまりの小高い山だけど、周囲は平地なので、見晴らしはよく、とても高く感じられた。

ただ、風がかなり強くて、帽子が飛ばされそうになった。

プレイマウンテンを下りて振り返ってみると、石でできた階段状の山が、これまた独特の景観を作っていた。

プレイマウンテンという名前の割に、人が少ない。子供の遊び場から離れてるせいかも。

子供よりも、大人の方が楽しめそうだ。

次に向かったのが、モエレ沼公園最高峰のモエレ山。

200段以上の階段を上がると、またものすごい強い風が吹いていたが、身体には心地よかった。

よく見ると、大きく噴水が上がっているのが見えた。

近くまで見に行こうと、上がってきた階段を下り、噴水のところまで行ってみた。

ちょうど着いたところで、噴水が終わっちゃうんじゃないかと恐れていたけど、目の前まで行っても、噴水は続いていた。

しかも、きれいな虹まで見えた。

札幌市内の観光はこれでおしまい。

このあとは旭川に向かう。

2011年7月02日(土曜日)

3919 五百羅漢・幕末の絵師 狩野一信特別展

博物館・展覧会 芸術・デザイン  — ろん

先日、会社の同僚からもらったチケットで、江戸東京博物館で開催されている「特別展五百羅漢 幕末の絵師 狩野一信」を鑑賞しに行ってきた。

距離的にそれほど離れていないけど、ふだん見慣れない景色は新鮮。

五百羅漢といえば、どうしても川越の喜多院にあるそれを思い出してしまうが、今回展示されているのは、増上寺秘蔵の仏画で、狩野一信という絵師によって描かれた。

彼は、過去にも例を見ない100幅の五百羅漢図を構想し、約10年の歳月を制作に費やす。

しかし96幅を描き終えたところでこの世を去る。残りは妻や弟子によって描かれたそうだ。


第22幅 六道 地獄

今回、いただきもののチケットということもあって、正直それほど関心があったわけではなかった。仏画はとっつきにくい気がしていたのだけど、実際に見てみると、興味深い物語性があって、ぐいぐいと引き込まれるような感じがした。

仏教において、究極の悟りを得て、尊敬し供養されるとされるはずの五百羅漢なのに、フリーディスカッションをかわして、さらなる議論を深めたり、過ちを犯したときの反省会を月二回開き、告白や懺悔をするとか、異教徒を力づくで仏道に入信させるとか、とても、えらい人とは思えないような姿も見せる。

絵は、ものすごく精密。羅漢のうぶ毛まで表現されていたり、羅漢が着ている服の模様やデザインが、ひとりひとりで違っていたりする。これが10枚や20枚じゃなく、100枚描こう!…と考えたというのだから恐れ入る。

実際、10年もの長い時間を掛けて作られた作品なので、描いたときの作者のコンディションが、観る者にも伝わってきておもしろい。

第22幅の「六道 地獄」は、刷毛で一気に描いた風の表現は見事だった。このころが、作者が最も脂ののってる時期だったようだ。


第45幅 十二頭陀 節食之分

さらに自身の技法にこだわることなく、西洋の技法も取り込んでいく。

第41幅では、西洋画では一般的な遠近法が取り入れられ始め、絵に奥行きが出るようになる。第45幅では、陰影法を試みているようだか、妙な陰影ができていて、ちょっと違和感がある作品になっている。

ただ、後半になっていくと、徐々にその勢いが衰え始めてくるのがわかる。第97幅以降、本人の作品でないことは公式に認められているが、もしかするともっと前から、本人は絵筆を持てなかったのでは?なんて思えてくる。

それでも、これほどまでの作品を作り上げていこうというモチベーションはいったいどこから来るのだろうか?

とてもおもしろく鑑賞できた。

細密な絵を見てもらおうとした配慮だと思うが、絵の前にはアクリル板で仕切りがつけられているものの、絵そのものに、かなり接近することができたのはよかった。

ちょっと残念だったのは、会場を出てすぐのところで、展覧会の“見どごろ”を紹介するビデオを流していたということだった。見終わってからじゃ遅いだろう…

でも、つい見入ってしまった。

開館とほぼ同時に見始めたのに、明日で公開終了のためか、会場内はかなりの人手だった。


2011年6月24日(金曜日)

3912 花の画家 ルドゥーテ『美花選』展

博物館・展覧会 芸術・デザイン  — ろん

今日は、以前から有給休暇を取っていたものの、これといった予定はなかった。

そこで・・・というわけではないが、おじゃこが行きたいと言っていた展覧会についていくことに。

渋谷のBunkamuraで開催されている、「花の画家 ルドゥーテ『美花選』展」を見に行く。

この展覧会の主役、ピエール・ジョゼフ・ルドゥーテは、ベルギーの画家で、「バラの画家」として知られる・・・そうだ。当然ながら?、僕は初耳だ。

ルイ16世王妃マリー・アントワネットの蒐集室付素描画家だったというから、その頃の人だ。

生涯にわたってさまざまな植物画を描き続けたそうだが、彼のポリシーとして、植物学に仕える者として、描く絵に求めるものは、あくまでも写実的な正確さである・・・と考えていたそうだ。そして同時に、美術作品であることも強調していたという。

花束(ブーケ)を描いた絵には、水滴や昆虫なども描かれ活気付られているものの、ふつうだったら描くはずの背景があるものだが、植物学に仕えていた彼は、素の花束だけを描いているのは興味深い。

ルドゥーテは、植物画を、点刻彫版法(スティップル法)という技法を駆使し、絵を立体的の見せるよう工夫したらしい。輪郭線を彫らずに、針で銅板に点刻し、点の集散で図像を表現する凹版画的画法だ。つまり、絵のすべてで線は引かす、点だけで表現する・・・ちょっと気が遠くなる。

今回は「美花選」という作品集を展示しているが、これは、分冊を数年かけて発行して行く分冊方式で作られているそうだ。

ルドゥーテが水彩で原画を描き、版画師が彫版し、印刷されたものに部分的に手彩色を施して、図版される。それを、顧客が集めて、自分好みに装丁するらしい。

まるで、デアゴスティーニそのもの!

でも、その発行される期間の長さはすごい。もし、いま、こんな本が売られたら、けっこう売れるのではないか?なんて思った。

「美花選」は、1827年に発行が始まり1833まで続いたそうだ。同様に発行された「バラ図譜」は1817年~1824年、「ユリ科植物図譜」に至っては、80分冊で、なんと14年(1802年~1816年)掛けて発行され続けた。

写真のなかった当時は、こうした精密な絵が必要であったのだろう。でも、本当に美しい部分や植物学上大事なことというのは、むしろ絵だからこそ、伝わるということもあるような気がした。本当に、細かく描き込まれている。

花の絵の展覧会という内容のせいか、平日の午後という時間帯のせいか、来場者の多くが女性であった。

ふと思ったのは、そもそも、花を愛でるのは、動物のなかでは人だけで、さらに、高い関心を示すのは、どうして女性が多いのだろう?

2011年5月21日(土曜日)

3885 山種美術館へ

博物館・展覧会 芸術・デザイン  — ろん

今日は、山種美術館Web魚拓によるキャッシュに行く。

以前、ぐるっとパスで、あちこちの博物館・美術館を回ったときには、対象の施設としては含まれていなかったか、もしくは、追加で費用が掛かるために、これまでなかなか行く機会がなかった。

美術館は、駅からちょっと離れている。

途中、歩道橋の上り下りもあるし、距離があるせいか、ところどころに案内が貼られていた。

恵比寿駅から、歩いて、10分ちょっとで、ようやく到着。

今回の展示は、「百花繚乱-桜・牡丹・菊・椿-」

当然ながら?、館内は撮影禁止。

“日本画”の展覧会という作品の性質のせい?か、客層は、かなりご年配の方々ばかり。

ふだん、あまり接点のない日本画…。楽しめるか?と思ったが、意外と面白かった。

どの作品も、陰もないし遠近感もほとんどない…つまり写実的ではない…日本画独特の特徴がありながらも、その表現力は、けっして勝るとも劣らない作品ばかりであった。

日本画は、ある意味“直球勝負”のような気がする。つまり、あくまで描きたい対象が主役であり、陰ですら余計なことなのかもしれない…と。絵は作者と見る側との共同作業であって、絵を見る側は、絵で描かれなかった部分を想像で補完する役割があるのではないか…なんて、勝手に思った。

紹介できないのが残念だが、気になって覚えている作品2点を紹介。

西田俊英「華鬘(けまん)」」は、中心に鳥がいて、その周りにたくさんの花が描かれていた。窓枠のような額状の縁があって、日本画というよりも宗教画に近い感じ。独特の世界観は面白かった。

田能村直入「百花」は、春夏秋冬のパートに分かれて、100種類の花が詳細に描き込まれていてとても綺麗。これも日本画といいうより、ボタニカルアートのようだった。

帰りは、渋谷駅に向かう。

途中渋谷川を渡って、東急東横線のガード下をくぐる。

高架橋で山手線や埼京線を越える東横線の電車を見掛ける。

2012年度から東京メトロ副都心線と相互直通運転を開始するため、いま高架橋を通って、渋谷駅を出入りしている電車は、そのときで見納めとなる。このあたりも、どんどん変わるんだろうな。

2011年5月04日(水曜日)

3872 ガラス★高橋禎彦展

芸術・デザイン  — ろん

国立近代美術館工芸館で開催されていた「ガラス★高橋禎彦展」Web魚拓によるキャッシュを見学。

おじゃこがもともと見に行きたいと言っていた展示がこちらだった。「岡本太郎展」を見学すると、こちらも見学ができるということで、僕もあとから見に行ってきた。

岡本太郎展を見てきた直後だからなおさら感じたことかもしれないが、こちらの作品は“美しさ”を強く印象づけられた作品ばかりだった。

残念ながら企画展の作品は撮影禁止なので、簡単に感想を…

「花のような」というタイトルの作品では、畳敷きにの部屋に数々の作品が並べられ、まさに花を並べたようだった。

「さわれないもの」キャッシュでは、ガラスの特性を生かし、透明なガラスの容器の中に、またガラスの作品が作り込まれている。まさにタイトル通りの作品。

ガラスという素材が持つ透明感や、柔らかな発色で優しい存在感が感じられ、とても綺麗な作品ばかりだった。

作者の強い意思が伝わってくる岡本太郎と違い、作者の手を離れ、ひとつの魂を持った新しい生物のように感じた。

芸術には、ほんと、いろいろな表現があるものだと実感。

2011年4月29日(金曜日)

3856 フェルメール<地理学者>とオランダフランドル絵画展

芸術・デザイン  — ろん

久しぶりに渋谷に行った。

連休初日ということもあってか、それとも普段変わらず…なのか、ものすごい人の数。

人にぶつからずに前に進むのが至難の業…と言っても過言ではないくらいだった。

今日は、Bunkamuraで開催されている、「フェルメール<地理学者>とオランダフランドル絵画展」を見にやってきた。

実は、フェルメールのことは詳しくは知らないのだけれど、以前も彼の展覧会に行ったこともあって関心はある。

そういう人が多いせいか、この展覧会も人気があるようで、昨日来場者数が10万人を突破したというニュースキャッシュがあった。

11時過ぎくらいに入場してみると、すでにかなりの人出で絵の前には人だかりができていた。

一番最初に目を引いたのは、これ。「ネズミのダンス」。

見れば見るほど、不思議な雰囲気を醸し出している。

ネズミたちの後ろに得体の知れない顔らしきものが見えるが、これは机の脚だそうで、なぜか“イルカ”と紹介されていた。元々1枚の絵だったものを切り出されたという。「猫が家の外にいるとネズミが机の上でダンスを踊る」という、古いオランダのことわざを表現しているそうだ。

見えないところできっと彼らは踊ってるに違いない。それにしても楽しそう。


「ネズミのダンス」

「画家と読みものをする女性、掃除をする召使いのいる室内」(ピーテル・ヤンセンス・エーリンハ)というやたら長いタイトルの作品。

絵の中には3人登場しているのに誰一人こちらを見ていないせいで、特定の場所に注目することがない。そのため、いろいろなところをまじまじと見てしまう…みたいなことを音声ガイド(ナレーターは佐々木蔵之介)で紹介していた。

フェルメールと同時期に活躍したという作家の作品ということで、当然ながら影響は受けたのだろう。光の反射具合が絶妙。窓から入った光が壁と床に当たり、それに反射した光に照らされて、さらに椅子の陰ができている。

正面にある鏡に床の模様が写っていたり、奥の部屋にいる画家のさらにその奥にあるガラスに彼の姿が映し出されていたり…と、見ていて飽きない。


「画家と読みものをする女性、掃除をする召使いのいる室内」

そして、大トリ?の、フェルメール「地理学者」。フェルメール展といっても、彼の作品はこれただひとつ。彼の生涯でも30数点しか残ってないそうだから、とても貴重ではある。ちなみにこれが彼が37歳に描いた作品というのにはちょっとビックリ。

スペインの支配から独立し、大発展を遂げていた大航海時代のオランダを象徴する絵なのだそう。それを感じさせるアイテムがいたるところに描き込まれている。

後ろの地球儀は、オランダの重要な商圏であったインド洋海域がちゃんと正面に向けられていたり、地理学者が着ている上着は、「ヤポンス・ロック(日本の着衣)」と呼ばれるもので、裕福な市民がこぞって着ていたそうだ。壁に掲げられている地図は、ヨーロッパの海図、そして壁と床の間の幅木の代わりに使われていた流のが、フェルメールの故郷、デルフト特産の青いタイルが描かれている。


「地理学者」

この絵に限らず、絵画に描かれれいるものには、全てに意味が込められている。

戒めであったり、庶民とは違うという優越感を味わうためであったり。描かれている人物が、社会的にどういったステータスであるかとか、当時のオランダの国力を見せつけたり。

もちろん、絵だけから受けるイメージを大事にするのも面白いのだけど、どういった意味を込めて描かれたか?ということも紹介してもらうと、より興味深く絵を鑑賞できる気がする。

久しぶりに、絵画展に来た気がするが、とても興味深く鑑賞することができた。