5690 駅名は誰のものだろう?

京浜急行電鉄(京急)は9月18日、京急線の全駅(泉岳寺駅を除く)を対象に、改称駅名を沿線の小中学生から募集すると発表した。

この企画のきっかけは、京急のニュースリリースに載っている。

今回、「大師線連続立体交差事業」により、駅と駅前広場が変わる「産業道路駅」の駅名を変更いたします。また、今後の沿線活性化の一助にするため、いただいたご意見を参考に、一層皆様に愛され、沿線の活性化に繋がると思われるものや、読みかた等が難しくお客さまにご不便をおかけしている駅等、「産業道路駅」以外にも数駅について変更を検討いたします。

産業道路駅の改名に合わせて、いっそのこと、変えたほうがよさそうな駅名や、対象を広げて関心を高めるきっかけにしてしまえ…ということのようだ。

以前より、駅や愛称のあり方については、いろいろ考えるところがあるが、今回の発表された企画についても、気にしないわけにはいかない。

港町駅(みなとちょうえき)駅名は誰のものか…ということ。

最初に鉄道会社が決めた名前ではあるが、それを好むと好まざるを問わず使い続けてきたのは、利用者だ。

長い期間を経て、駅名は、誰のものというよりも、利用者の共有物と考えていいと思う。

それを替える際に、“公募”ということにすれば、多くの人たちが参加するという点で、“みんなで決めた”というアリバイにはなる。

でも、万人が納得できる名前というのは難しい。

美空ひばりの曲の由来となった駅無難な名前にすれば代わり映えしないし、特徴ある名前にすれば落ち着ない感じになるのは間違いない。

ニュースリリースで言われている、読みかた等が難しくお客さまにご不便をおかけしている駅等というのは、おそらく、「雑色(ぞうしき)」や「糀谷(こうじや)」を指しているのだろう

しかし、これらの駅名も長い期間を経て、共有されてきたものと考えれば、変える必要もないと思ってしまう。

どうしても変えたければ、副駅名とすればいい。

自分が保守的すぎるのかなぁ…?

予想どおりに不合理/ダン アリエリー

 

会社で一緒に仕事しているSさんから、僕が「きっと面白いと思うはず」…と紹介された本。

「行動経済学」が話題になったきっかけになったとも言われてるようで、この本のことは直接は知らなかったが、どこかで聞いたことがあるのは思い出した。

人間は経済学で言われるような、合理性に基づいて行動するのではなく、むしろ不合理に行動するものだ。

タイトルにあるように、実は、それらの行動は、誰もが、無意識的に、なんとなく予想はついている。

それだけに、豊富な事例を次々と紹介されると、そのたびに意外な気付きに驚かされる。

似たような例を見たことがある気がするから、よけい気になったのだけど、紙の新聞とWeb版の新聞の広告に関する研究は興味深かった。

1. Web版 59ドル
2. 紙版 125ドル
3. 紙版とWeb版 125ドル

こんな選択肢のなかから、調査対象の100人の学生たちどれを選ぶか?

1. Web版 59ドル…16人
2. 紙版 125ドル…0人
3. 紙版とWeb版 125ドル…84人

次に、誰も選択しなかった、紙版 125ドル をあえて除いた選択肢を用意する。

1. Web版 59ドル
2. 紙版とWeb版 125ドル

紙版を除いただけで、それ以外の条件は変わっていないのだから、合理的に考えれば、人数に変化はないはず…である。

しかし、予想どおりに不合理な結果となる。

1. Web版 59ドル…68人
2. 紙版とWeb版 125ドル…32人

意外なようで、意外でもない回答は、とても興味深い。

これは、まったく特性の異なるAとBという選択肢があった場合、明らかにAより劣るA’という選択肢が加わると、Aとの単純な相対比較ができるようになり、AがA’に対してだけでなく、全体のなかでも優れているように見えるようになるためだという。

これからわかるのは、アンケートなどに応用すれば、世論の操作なども簡単にできてしまいそうだ。

明らかに選ばれることのないような選択肢が混じっていたら「要注意」だということはわかるかもしれないが、微妙な選択肢が混じっていたら、いったん立ち止まって考えてみたほうがいいかもしれない。

また、道徳、倫理、ルールや習慣といった「社会規範」と、金銭が絡む「市場規範」のそれぞれが、人の判断に大きく影響していく話もとても興味深かった。

挙げていくとキリがないので、これ以上の紹介は割愛するが、人間のちっとも合理的でない、不可解な行動を、著者自らの経験を踏まえて、楽しく、そして学術的に紹介する本書は、読んでいてとても楽しかった。

ある意味、人の”本能“に組み込まれた行動パターンは、知らず知らずのうちに、不合理な行動へと導かれていかれるのだろうけど、その背景を理解すると、ほんの少し生き方が上手になるような気がする。気のせいかもしれないけど。

5689 障害者雇用水増し問題で思うこと

障碍者雇用の水増し問題は、発覚してからずっと気になるニュースだった。

率先して遵守すべき官公庁が、“積極的に”違反してたなんて言語道断だ。

こうした問題をニュースなどで伝える際に、工夫次第で雇用はできるといった事例なども紹介されていた。

民間企業のほうがしっかり取り組んでいるということを示す例として取り上げたのだと思う。

でも…実際のところ、どこでも同じように応用するってかなり難しいのではないか…と思ってしまう。

健常者とまったく同じ仕事は難しいのだろうから、障害の程度に合った仕事を用意する必要がある。

こうした仕事は、高度な内容でなくどうしても単純な業務にならざるを得ないだろう。

しかし、こうした業務は、効率化を優先されていくうちに、外部に委託され、社内に残っていないというケースも少なくない気がする。

場合によっては、オフショアとして海外で行われることも多いだろう。

効率化が障害者雇用を阻害しているのではないか?と危惧してしまう。

そういった意味では、障害者雇用を優先することが何よりも優先する社会になる必要があるんじゃないかな…なんて思う。

新しい1キログラムの測り方/臼田 孝

かつて、1mの長さの基準となる「メートル原器」というのがあった。

原器を基準にするというのは、夏の暑さでレールが伸び縮みするなんていう例を出すまでもなく、いかにも厳格さを欠いている感じがする。

こうした規格を策定する立場からしたら、当然なんとかしたかったことだろう。

現在は、もうメートル原器は使われなくなり、光の速度が基準となっている。

一方、キログラム原器のほうは…こちらもすでになんらかの新しい基準ができているかと思ったら、なんと、キログラム原器は現役なのだという。

ただそれも、もうすぐ、そして、ようやく、来年2019年5月20日に定義が改定され、キログラム原器が、重さの基準ではなくなる予定だ。

本書は、重さの単位であるキログラムを中心に、国際単位系の7つの基本単位を含め、さまざまな「単位」の成り立ちや意義を紹介する。

ちなみに、7つの基本単位とは次の通り。
・長さ=メートル
・質量=キログラム
・時間=秒
・電流=アンペア
・熱力学温度=ケルビン
・物質量=モル
・光度=カンデラ

さまざまな整合性を取りつつ、困難を乗り越え、単位の基準が決められていく。

できるだけ平易な表現で書かれていて、読みやすかったが、内容はやはり難しかった。

軽い気持ちで読み流していると、すぐについていけなくなってしまう。

だから、何度も、前のページに戻って読み返してしまい、読み終えるのに、結構な時間がかかってしまった。

もちろん、こういう読書も面白いのだけど。

5688 目黒の由来って?

ネットを見てたら、こんな記事が出ていた。

目黒川は「めぐる川」…水難地帯この地名が危ない!

この記事は、地名からかつてこの場所が地形の特徴を示すことが多いという内容のものだった。

「大阪の梅田などは『梅=埋め』で、埋め立てた土地を示します。このような例は有名ですが、ほかにも当て字を使う地名は多く、解読は難しいものです。しかし、各地に共通の地名、地形の特徴、過去の災害を拾い上げ、重ね合わせていくことで浮かび上がってくるものがあります」

その上で、このタイトル…まさかとは思ったが、目黒川もこの記事のタイトル通り…

●目黒川(東京都目黒区)
→めぐる(曲流・蛇行)川

目黒不動があるのに……ということのようだが、そもそも、この目黒という地名が、単にこの地域だけに由来するものではなく、江戸五色不動として、目黒不動、目白不動、目赤不動、目青不動、目黄不動のうちのひとつに過ぎない…ということを忘れてるとしたら、ちょっと恥ずかしい。

こうした明らかに違和感のある事例を持ってこられると、正しい情報までも、こじつけ感を覚えてしまって、悪影響を与えかねないか心配になる。

5687 エレベーターの謎

エレベーターの謎…またエレベーター待ちをしてるとき、“例の”現象に出くわした。

あまりにしょっちゅう見掛けるというのは、決して偶然なんかではないだろう。

気になって、いろいろ調べてみると、ちゃんと原因はあるようだ。

話を単純化するために、エレベーターはAとBの2台とする。

エレベーターAは、混雑したフロアで乗客の乗り降りが滞っている。

そこに、エレベーターBが追いついてしまう。

こうして、同じフロアにエレベーターAとBが並んでしまう。

追いついたエレベーターBは、乗り降りに時間の掛かっているエレベーターAを“追い越す”。

しかし、その先の混雑したフロアに当たってしまうと、さきほどのエレベーターAのように、乗り降りに滞ってしまい、そのうちに、エレベーターAに追いつかれる…。

ふたたび、同じフロアにエレベーターAとBが並んでしまう。

わかってしまえば、なんてことないのだけど、急いでいるときに限って、エレベーターが固まって動かないというのは、ついイラッとしてしまう。

5686 丹那トンネルとソフトクリーム

丹那トンネル殉職者慰霊碑昨日の夜、丹那トンネルの慰霊碑まで、雨の中行ってみた。

丹那トンネルの熱海側の入口の真上に、工事で犠牲になった67名の殉職碑がある。

雨の夜、誰もいない慰霊碑の前にたたずむというのも、落ち着かないものだ。

かなり暗くて、付近の様子がわかりづらかったので、また明日にでも来てみようと思ったが、今朝も朝からずっと雨で、結局行くことはできなかった。

丹那牛乳を使ったソフトクリーム今日は、熱海駅で帰りの電車を待つ間、丹那牛乳でできたソフトクリームを食べた。

この丹那牛乳は、丹那トンネルを掘削により豊富だった地下水がすべて抜けてしまったため、その代替として始まった酪農事業がきっかけという。

もちろん偶然ではあるけど、不思議な縁みたいなものを感じた。

[社会の窓]実は、ものすごくすれ違ってる

有給休暇で熱海に来た。

宿泊先からちょっと歩いたところに、丹那トンネルの慰霊碑があることに気づいて、ちょっと行ってみた。

真っ暗なので、あまり見学できず、ちょっと足を延ばして、付近を歩いた。

来宮駅のすぐ近くではあったけど、山側の駅の裏手だったせいか、誰一人としてすれ違うことなかった。

ただその脇を、東海道新幹線がすごいスピードでひっきりなしに行き交っていた。

そのせいだろうか、あまり寂しさみたいなものは感じなかった。

そんなとき、ふと思った。

結局誰にもすれ違わなかったのに、この場所では、実際に、新幹線の乗客と何千人もの人たちとすれ違ってるのも事実なんだな…って。

なんてことないけど、ちょっと不思議な感じがした。

5685 ボケ

発表前のワクワクさがなくなってしまってしまって久しいが、それでも新アップルの製品発表会は、やっぱり気になってしまう。

日本時間の午前2時に行われるため、朝起きると、その内容をチェックするのが習慣になっている。

待望のiPad mini 4の後継機が出てここなかった段階で、自分の関心はかなり低くなってしまったのだけど、気になったことがあった。

新しいiPhoneで採用されたカメラの説明で、“ボケ”のことを、Bokeh というようだ。

新iPhone高性能カメラの発表に日本が驚く 「『ボケ』って世界共通語なんだ」

アップルの発表会よりボケなんて、日本独特のものでもないのに、なぜ日本語由来の言葉になっているのだろう?

でも、少なくとも、日本と“ボケ”には何か関連はありそうだ。

きっと日本に絡んだ由来があるに違いない。今度調べてみよう。

5684 平均しなくても…

築地にある国立がんセンター中央病院(奥の建物)このニュースが気になった。

がん3年生存率71% 国立がんセンターが初集計

がんと診断された患者が3年間生存する確率が初めて公表され、その平均が71%なのだという。

違和感を持ったのは、この71%という数字だ。

当然ながら、がんの発生した臓器や部位によって、その数字は大きく変わる。

今回同時に公表された部位別の生存率は、前立腺がん99.0%、乳がん95.2%、子宮体がん85.5%と高い。

その一方で、肝臓がん53.6%、食道がん52.0%、肺がん49.4%、難病とされている、膵臓がんに至っては、15.1%といった確率となっている。

これほど数字がバラバラなのに、見出しで平均化する意味ってなんだろう?

部位別の生存率公表でいいんじゃないかな…って思うのだけど、なぜだろう?