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建築


自由学園明日館

じゆうがくえんみょうにちかん/東京都豊島区西池袋

建物情報

設計
フランク・ロイド・ライト+遠藤新
所在地
東京都豊島区西池袋二丁目
用途
学校
竣工
1922年
最寄駅
池袋
リンク
建築マップ
明日館ホームページ
作成日
2004年11月24日
最終更新日
2004年12月24日

 自由学園明日館は、池袋駅のメトロポリタン口から5〜6分ほど歩いた、駅前の区画整理から一歩はずれたところにある。住宅地の間の細い路地を右へ左へと進んでいくとぱっと開けて、明日館が姿を現す。喫茶付見学券600円を支払って内部へ。

 自分のイメージよりはずっと小さくこぢんまりしている印象。シンメトリックさは、奈良の平等院鳳凰堂をイメージしたのだとか。確かにホールを中心とした両脇に教室を抱えた感じがそれらしい(写真ではわかりにくいけど)。
 解説によると、ライトは建設途中でアメリカに帰国してしまったそうで、正面に向かって右側の教室棟は、そのあとを引き継いだ遠藤新による設計なのだという。だから、設計はライドと遠藤新の共同の作品ということになるようだ。そのため左右の教室棟は、細かい部分で違いが見られるらしいが、あまりよくわからなかった。また右側の教室棟にある煙突は、左側で使用している暖炉の煙突と左右対称に見せるためのダミーとのこと。ちなみに遠藤新は、その後、明日館の向かい側にある講堂の設計を手掛けている。

 こぢんまりとしている分、この建物は天井裏を持たず、部屋の内部から上を見上げるとそのまま屋根の形になっている。だからあまり圧迫感はない。
 手前の教室には、婦人之友社の歴史が展示されていた。この自由学園は婦人之友社の創始者である羽仁吉一・もと子夫妻によって、理想の教育像を現実のものとするためにつくられたもので、いまでも明日館の前の道をはさんだところに、婦人之友社の本社がある。縁とは不思議なもので、この羽仁夫妻の友人であった遠藤新が、たまたま帝国ホテルの設計のために来日していたライトに設計を依頼して、建てられたのがこの明日館なのだという。日本でライトが設計した建物はわずか数件で、現存しそのまま利用されているのは、わずかに二件であり、そのうちの一件がこの明日館とのこと。


 至るところに建築家こだわりの意匠が感じられて、見ていて飽きない。例えば、教室と廊下の間のドアの上。おそらくは通気口の役目を果たす穴なのだろうが、単純に空気さえ通ればいいというのではなく、その穴のひとつひとつにも細かくデザインされている。また、食堂にあった椅子も、説明によるとはっきりとした証拠はないが、おそらくはライトの作品と思われるそうだ。木製でひとつひとつが手作りということもあって、建物全体から人の想いや暖かみを感じられる。
 平屋造りの明日館にあって、一段高くなっているのが食堂で、教育の中心は食にあるという羽仁夫妻の考え方によるものなのだそうだ。特徴的な明かりと合わせて、柔らかい自然の光が食堂全体を包み込んでいる。これなら、落ち着いた雰囲気で食事ができそうだ。
 以前はこの地下に調理場があって、それを真上の食堂に運べるような造りになっていたそうだが、現在では調理場はこの建物の隣に移った。この移った調理場も見学させてもらったが、こちらは最新の厨房機器が用意されている。また館内は冷暖房完備だし、トイレも利用しやすく改造されているが、これはこの明日館の目指す、文化財建築の「動態保存」という目標に沿ったものなのだそうだ。これによって文化財だから、古くて使いにくいのは仕方がないというのではなく、もっと文化財建築を有効に使いながら保存するということが可能になったというわけだ。見るだけの文化財ではなくて、使える文化財…難しい部分もあるだろうが、全国に広がって欲しい施策だ。
 中二階には、明日館保存修理工事に関する資料とライトの業績に関するパネル展示がある。これらは撮影禁止なので、この中二階からホール正面の窓を眺める。
 一階のホールでは、喫茶サービスがある。「喫茶付見学券」を係の人に渡すと、コーヒーか紅茶が選べて、パウンドケーキが付いてくる。とても落ち着いた雰囲気で味わうコーヒーはとても美味しかった。





明日館とダミー


 実は、週末は内部の見学ができない。おそらく土曜日と日曜日に貸し切りでの利用があるのだろう。休日に見学できるのは、月一回設定されている「休日見学デー」だけ。そういうこともあって見学者は結構集まっていた。
 ただ、ダミーの撮影は特に支障はなく、おそらく誰にも気付かれることもなく、あっという間に撮影完了。