建築 |
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なかぎんかぷせるたわーびる/東京都中央区銀座 |
再開発が完成しつつある汐留"シオサイト"のすぐ近くにある、時間が止まったようなビルをご存知だろうか?なぜかその存在が、僕の関心を惹きつけてやまない・・・その建物は、中銀カプセルタワーという。 新橋駅から歩いて数分。交差点の位置と、目の前を首都高速が通る関係で、周囲に高い建物が多いが、目指す建物は遠くからでも簡単に見つけることができる。 1階部分は、ごく普通のコンビニになっている。ただ、全体的に天井が低くて、ちょっと古い感じは否めない。コンビニに続き、エントランス、数台の自動販売機が並ぶ。 見上げてみると、この建物がかなり特殊な存在であることに気づかされる。ブロックのようなまったく同じ形、大きさをしたたくさんの箱が、天高く積み上げられている。箱の一つ一つに丸い窓があって、その窓からは、書類のような紙切れや、ちぎれかかったカーテンなどが見える。生活感がまるで見られないこの建物は、いったいなんだろう。 1階には、カプセルのサンプルが置かれている。 少しの間、このビルの前で写真を撮っていたら、何人もの人がサンプルのカプセルを覗き込んでいた。やはり、この建物に関心のある人は少なくないようだ。 サンプルのカプセルを覗き込む。
カプセルの中身が狭いのは想像通りだけれど、内部の什器が作られた当時のまま残っていることが、ある種のショックというか、感動というか、不思議な感覚を起こさせた。テレビをよく見ると、チャンネルを"ひねる"とか"まわす"という、あまりに懐かしいタイプ。いまの子供たちは知らないだろうな。 トイレ、ベッド、エアコンらしき管も見えるし、電話もテレビもある。"ちょっとの間"であれば、この中で過ごすには、過不足ない。ただ、過ごすのはちょっとの間だけ。もし、この中で何日も過ごせということだと、相当気が滅入りそう。 でも、しばらく見ているうちに、なんかどこかで見たことがあるような気がしてきた・・・そう。カプセルホテルと大して変わらないのだ。台所や収納がほとんどないところなんかも、カプセルホテルと同じ・・・生活感のなさはこういうところから表れるのかな? ※1
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2002/05/04、28